小澤征爾音楽塾 《ヘンゼルとグレーテル》
2009年7月29日(水)6:30PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 一般発売日の前にプレイガイドのお姉さんに聞いたところ、「例年、小澤オペラは発売日(土曜日)の午前中に売り切れます」とのことで、あまり小澤さんのオペラが聴きたいわけでもないので忘れておりました。

 1週間くらいして、他のチケットを買いに行ったら、まだ半分以上残っている状態で、希望の安い席を手に入れることができました。
 本日は当日券も出ていましたが、客席はほぼ埋まっているようでした。

 一つ書いておきたいのは、入口で渡された袋の中にキャスト表がなかったこと。
 CBCの主催する『名古屋音楽祭』では、オペラならキャスト表、コンサートならプログラムが入っています。
 特に今回は主演キャストの変更(バーバラ・ボニー降板)があったのですから、主催者の東海テレビはその旨を書いたパンフレットを配布する必要があったのではないでしょうか。
 紙代をケチったというよりは、チケットを買ったお客さんに対する思いやりのない会社かと思いました。
 キャストの確認のために1000円のプログラムを買うのもシャクだしね (^_^; 。

 小澤征爾音楽塾《ヘンゼルとグレーテル》
   2009年7月29日(水)6:30PM
   愛知県芸術劇場大ホール

 指揮:小澤征爾  演出:デヴィッド・ニース
 管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ

 グレーテル:カミラ・ティリング
 ヘンゼル:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
 母 親:ロザリンド・プロウライト
 父 親:ヴォルフガンク・ホルツマイヤー
 魔 女:グラハム・クラーク

 愛知県芸術劇場大ホールは欠陥劇場で、正面席からオケピットを見ることができません。

 だから、小澤さんの指揮についてはよく分かりませんが、優しい音楽だったのではないでしょうか。

 オーケストラは佐渡さんのオーケストラよりはレベルが上かと思いました。

 最初に出てくるヘンゼルとグレーテルの声がよく聞こえない。
 25日の《カルメン》と合わせ、「この巨大劇場では声の聞こえ具合はこんなものか」とも思ったのですが、母親が出てきたらその声のよく聞こえること。

 キルヒシュラーガーはウィーン国立歌劇場の《こうもり》など、何回か聴いたことがあるのですが、感心したことがありません。
 母親役のプロウライトはスカラ座《修道女アンジェリカ》のDVDでアンジェリカを歌っていましたね。

 デヴィッド・ニースの演出はいつもつまらない。
 オーストドックスではあるが、これほどアイディアのない演出ではね。

「演出家の仕事というものは不思議なものです。私が伝える物語は、他の人によって書かれたものであるにもかかわらず、それを伝える新しい方法というものを常に自分で生み出していかなければならない」とはロバート・カーセンの言葉ですが、デヴィッド・ニースにこのような苦しみはないのでしょう。

 14人の天使が現れる場面の音楽は大好きなんですが、現れた天使立ちは《ボリス・ゴドゥノフ》のような金ぴかの衣装を着て、ただ眠っているヘンゼルとグレーテルを見ているだけ。
 「何か知恵はないのか!」と、見ていてイライラしてしまいました (^_^ゞ。
 今まで見た演出では、天使たちと二人が一緒に踊る演出が好きでしたね。
 
 魔女役のグラハム・クラークは95年6月5日にロイヤル・オペラハウスで《ビリー・バッド》のヴェア船長を見たことがあり、あの頃から年寄りだと思っていたけれど、今回の写真を見るとそれほどの歳でもなさそうでビックリ。
 声はよく出て演技派だと思うけれど、僕は魔女の場面でもっともっと笑ったことがあり、やはり演出に問題があると思いましたね。
 
 
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