《パイレート・クイーン》 帝国劇場
2009年12月13日(日)1:00PM

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  《レ・ミゼラブル》と《ミス・サイゴン》という傑作ミュージカルを製作したアラン・ブーブリル(作詞)とクロード=ミッシェル・シェーンベルク(作曲)コンビの新作ミュージカル。
 そして2006年に劇団四季を退団された保坂知寿さんの帝劇初主役で、1996年に劇団四季を退団された山口祐一郎さんとの久しぶりの共演となれば、何が何でも行かなくては。

     《パイレート・クイーン》 帝国劇場
    2009年12月13日(日)1:00PM

   グレイス・オマリー:保坂知寿
   ティアナン・グレイスの恋人:山口祐一郎
   女王エリザベス一世:涼風真世
   族長ドゥブダラ・グレイスの父:今井清隆
   ビンガム卿・エリザベスの側近:石川 禅
   ドーナル・グレイスの夫:宮川 浩

 アイルランドの人々から『パイレート・クィーン』とあがめられたグレイス・オマリーの人生をテーマとする大作歴史ミュージカルになるはずだったのだけれど、ストーリーが上滑りでちょっとコケましたね (^_^; 。

 プログラムによれば、グレイス・オマリーは16世紀のアイルランドに実在した女性海賊で、お墓もあるとのこと。

 ブーブリル&シェーンベルク・コンビの作品は、《マルタン・ゲール》  《マルグリット》と見ましたがいずれも出来が悪く、もう彼らの才能は枯れ果てたのでしょうか?

 山田和也さんの演出は、回り舞台を使って海賊船を出したりする、アイディアに満ちたものでしたが、ドゥブダラの死の場面を《レ・ミゼラブル》の、そして最後のグレイスとティアナンとの二重唱を《ジーザス・クライスト・スーパースター》のパロディにしてしまった(ように見える)のは、このミュージカルをますます薄っぺらなものにしてしまっているようです。

 保坂知寿さんは劇団四季の頃からファンで、《アスペクツ・オブ・ラブ》のローズなど何度も拝見させていただきました。
 山口祐一郎さんは実年齢の半分くらいの役を演じておられまして、ジャン・バルジャンまでやった大物俳優に初々しい青年役はいかにもミスマッチで、頑張っておられる姿が微笑ましかったですね (^_^; 。

 最後の場面、グレイシとティアナンは7年半ぶりに再会したんでしたっけ?
 現実の保坂さんと山口さんは13年ぶりの共演ですか。
 13年の時を経て、二人がまた愛の二重唱を歌えるときが来たのかと深い感慨を覚え、このミュージカルを見に来て良かったと思いましたよ (^_^; 。

 アイリッシュダンスの場面が多く、アンサンブルの皆さんも頑張っておられましたが、イギリスから来たソリストの足技は超達人だと感心しました。
 でも、アイリッシュダンスを長く見せるよりも、ストーリーをもっと深めてもらいたい、とは思いましたね。
 
   
   
 
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