ドイツ音楽紀行(3)1997年4月12日(土)
ミュージカル 《マルタン・ゲール》

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 コリシアム劇場から《マルタン・ゲール》が上演されているプリンス・エドワード劇場は近い。
 劇場の窓口で『安い席』と頼んだら、劇場最後列の通路寄りという、全く僕好みの席で、£16(3200円)。
 昨年8月に見たときには2階席でもガラガラだったので、本日のチケットについては安心していたんだが、驚いたことに会場はほぼ満席 (@_@)。

     《マルタン・ゲール》 
  1997年4月12日(土)7:45PM
   PRINCE EDWARD THEATER

   Arnaud du Thil :IAIN GLEN
   Bertrande de Rols:JULIETTE CATON
   Guillaume:JEROME PRADON
   Martin Guerre :MATT RAWLE

 僕が一番好きなミュージカルは《ミス・サイゴン》、そして2番目が《レ・ミゼラブル》。
 この2つの作品の作詞・作曲をしているアラン・ブーブリル と クロード・ミシェル・シェーンベルクのゴールデン・コンビの最新作が、この《マルタン・ゲール》だ。
 僕は昨年の8月に見て、音楽はいいが作品全体としては問題がある、という感想を持った。
 しかしながら、その後大幅な変更があって、オリヴィエ賞も獲得したということで、どのように変わったか確認のために、もう一度行ってみたわけだ。

 以下は前回にも書いたけれど‥‥
 ストーリーは、16世紀にピレネー山麓の小村 Artigat であった実話。
 長い戦いから夫 Martin Guerre が妻 Bertrande de Rols の元に返ってくるが、実は彼は別人 Arnaud du Thil だった、というお話。
 このストーリーは欧米人好みのようで、リチャード・ギアとジョディ・フォスターが主演したアメリカ映画《ジャック・サマスビー》も、この話が原作になっている。
 ミュージカル化に当たっては、見せ場を作るため、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュの発案で、宗教戦争が取り入れられることになり、時代が1世紀下げられた。

 昨年と較べると、かなり手直しはされていた。
 しかし、僕の感想としては、もともとの話が分かりにくい上に(《ジャック・サマスビー》っておもしろい?)、宗教戦争まで絡めたものだから、話が支離滅裂になって、納得できない場面が多すぎる。
 演出は DECLAN DONNELLAN という、ロイヤル・ナショナル・シアターのアソシエート・ディレクターだそうだが、この人を起用したのが最大の敗因の一つだろう。
 彼の演出は大変インスピレーションに欠けたもので、多額の費用をかけたという舞台装置が空回りをしている。
 クロード・ミシェル・シェーンベルクの音楽は美しいのに、もったいないことだ。

 それでも、カーテンコールは盛大。
 本当にこんなミュージカルがいいのか? >イギリス人

 ということで、やっと第1日目が終わりました。
 明朝にはドイツに移動します。

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