クラウス・ペーター・フロール & 名フィル定期
2010年3月13日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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  会場に入ってビックリしたのが、ステージにずらりと並んだ椅子の数。
 メンバー表を見てみると、団員が76名、エキストラが41名で、合計117名の巨大オーケストラです。
 ホルンなんか、合わせて16人 (@o@)。

 第367回定期演奏会『春初めてのカッコウを聞いて』
     2010年3月13日(土)4:00PM
     愛知県芸術劇場コンサートホール

    指揮:クラウス・ペーター・フロール
    ヴァイオリン:滝 千春*

   ディーリアス:春初めてのカッコウを聞いて
   ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり*
   R・シュトラウス:アルプス交響曲 作品64

 現れたクラウス・ペーター・フロール(1953年3月16日~)はチラシ、プログラムの写真とは別人のような風貌で、ミニ・ジェームズ・レヴァインかな。

 僕は1990年11月18日に、ミュンヘンのガシュタイクの巨大ホールでベルリン交響楽団の演奏会を聴いたことがあって、その時の指揮者がこの人だったような気がします。
 名フィルプログラムの「プロフィール」には1984年にベルリン交響楽団の音楽総監督に就任、と書かれています。

 手元のチケットには「FLOR-ENGERER」と書かれています。
 ソリストはブリジット・エンゲラーだったのでしょうか?
 ブリジット・エンゲラーは、5月6日に電気文化会館コンサートホールでピアノ・リサイタルが予定されています。

 さて、定期演奏会の前半はイギリスの作曲家の静かな音楽で、カッコーを吹いていたクラリネットは新入団ロバート・ボルショスさん(セルビア人)。
 彼は試用期間中の『田園』で大失敗をしたので、オーディションを落ちたのかと思っていましたが、合格したんですね (^_^) 。
 渋い音色のクラリネット奏者です。

 ヴァイオリンの滝千春さんは、ガチガチに緊張していたような気がします。

 後半の『アルプス交響曲』は全くの見もの、聞きものでした。
 ガルミッシュの山荘から眺めるアルプスに対する憧憬から生まれた作品だそうで、1990年と2006年に彼の山荘を訪れたことのある僕にとっては、いろいろ思い出すことが多かった。

 僕がアマオケ時代に演奏した曲で、最も難しく、最も陶酔的に美しい曲は『ドン・ファン』でした。
 だからR・シュトラウスのオーケストレーションが難しいことはイヤと言うほど知っています。
 一つ一つのパートがコンチェルトみたい。

 名フィルは時々ミスもあったようですが、曲が難し過ぎるから許容範囲でしょうか。
 クラウス・ペーター・フロールの確信に溢れた指揮の下、名フィルは素晴らしい演奏をしたと思います。
 ビュンビュン唸るウィンドマシンのなんと迫力のあったことか (^_^) 。

 ティエリー・フィッシャーによるストラヴィンスキーの三大バレエ、デュメイ、パユ、ホリガーなどのキラ星のごとき有名ソリストが登場した、輝ける今シーズンの最後を飾るのに、まったくふさわしい演奏であったと、この企画に心から感謝しておきましょう。
  
 
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