フィッシャー&名フィル ベートーヴェン・チクルス(3)
2009年9月12日(土)4:00PM 名古屋市民会館大ホール

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 ティエリー・フィッシャー指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団による「ベートーヴェン・チクルス」の第3日目です。
 第1日は6月6日(土)第2日は6月7日(日)でした。

   ベートーヴェン・チクルス(3)
   交響曲第8番
   交響曲第6番『田園』
 
   ティエリー・フィッシャー指揮
  名古屋フィルハーモニー交響楽団

   2009年9月12日(土)4:00PM
   名古屋市民会館大ホール

 第8番はフィッシャーらしい、きちんとまとまったベートーベンで、やはりフィッシャーは良い指揮者だな、と再確認しました。

 しかし、弦楽器を7+6+5+4+3と増員した『田園』は、8番を遙かに上回る名演でした。
 すべてのパートの隅々まで、フィッシャーの意志が行き届いている。
 全体的にまとめた第8番と、細かいところまで手が入った第6番では、練習の量が違うことが分かるんです。

 三連符の頭に少しアクセントを付けたさざ波のような第2ヴァイオリン以下の伴奏の上に、ノンビブラートの第1ヴァイオリンがソットヴォーチェでメロディーを奏でる、第2楽章の何と美しかったことか。
 なんだか、神々しかったですね。

 しかし、第3楽章でクラリネットが落っこちた、というか、独り別の世界に行ってしまったのにはビックリしました (@o@)。
 ティモシー・カーターがアメリカに帰ってしまい、現在、名フィルのクラリネットは井上京さん一人。
 本日の主席は客員のロベルト・ボルショスという初めて聴くセルビアの人でした。
 いろいろなメンバーを試しているのでしょうか?

 くすんだ音色のクラリネット奏者だな、と聴いていたのですが、このミスはアマオケの初見練習レベルの失敗でしょう。
 プロアマを問わず、このような場面に遭遇することは稀でありまして、珍しい経験をさせていただいた、というところでしょうか (^_^ゞ。

 前半の8番が終わったあと、フィッシャーはホルンとクラリネットを立たせました。
 しかし『田園』のあとでは、管楽器奏者の起立は無し。
 クラリネットに気を遣ったんだな、と推察しました。
 
 
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