フィッシャー&名フィル ベートーヴェン・チクルス(1)
2009年6月6日(土)4:00PM 名古屋市民会館大ホール

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 ティエリー・フィッシャー指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団による「ベートーヴェン・チクルス」が始まりました。
 僕もこの歳になってベートーヴェンのシンフォニー全曲を聴き直すことになろうとは思いませんでしたが (^_^ゞ、このコンビは魅力的で聴き逃すことは出来ません。

   ベートーヴェン・チクルス(1)
   交響曲第1番、第3番『英雄』
 
   ティエリー・フィッシャー指揮
  名古屋フィルハーモニー交響楽団

   2009年6月6日(土)4:00PM
   名古屋市民会館大ホール

 チクルスの最初は、当然のことながら『交響曲第1番』。
 楽器編成は意外に大きく、弦楽器は7+6+5+4+3。

 当然の事ながら、昨日のザルツブルク・モーツァルティウム管弦楽団に較べると、舞台がゴチャゴチャしている感じです。
 全体にアンサンブルも荒い感じで、普通の演奏。
 これは意外でした。

 ここで僕は考えました。
 彼らは2日連続で4曲のシンフォニーを演奏するのです。
 練習時間も限られているでしょうから、十分な練習時間を取れない曲もあるでしょう。

 集中的に練習するのは『英雄』に決まっています。
 
 果たして、『英雄』は最初から出来が違いました。
 フィッシャーは普通に指揮棒を振っていても、聞こえてくる音楽は微妙なニュアンスに満ちた音楽です。
 綿密な練習が繰り返されたことは明らかです。

 僕はかつてアマオケのバイオリン弾きで、ベートーヴェンの交響曲はほとんど演奏したのですが、圧倒的に『英雄』が名曲だと思っています。
 長大な曲なのに、最初から最後まで無駄な部分がない。
 壮大なギリシャ神殿を築きあげるような喜びを、演奏するたびに感じておりました。

 今回の『英雄』は最後まで隙のない、実に充実した名演で、名フィルもその実力を遺憾なく発揮したでしょう。
 これからのチクルスが楽しみです。
 まずは明日ですね。

 プログラムには「ハイリゲンシュタット遺書の家」として、「プファールプラッツの家」の写真が載っていました。
 責任者出てこい!

 もう一つ、4月の定期演奏会にも書いた浅野隆金城学院大学名誉教授による曲目解説がおかしい。
 難解すぎて僕が理解できないのか、もともと理解できないことが書き並べられているのか‥‥。

 もう一人の解説者、名古屋芸術大学教授の山田 純さんの解説はすらすらと読めるんですけれどもね。
 
 
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