METライブビューイング アンブロワーズ・トマ作曲《ハムレット》 2010年4月11日(日)10:30AM ミッドランドスクエアシネマ |
トマといえば《ミニョン》は01年5月2日のゲルトナー劇場と06年7月23日のびわ湖ホールびわ湖ホールの2回見ています。 《ハムレット》はその存在さえも知らなかったのですが、なかなか充実したオペラかと思いました。 今回のような優れた舞台、キャストあっての印象でしょうか。 キーンリーサイドは「シェークスピアの戯曲からシチュエーションだけ借りた別の作品」と言っていましたが、「尼寺へ行け」とか「生きるべきか死すべきか」など有名なセリフも入っており、戯曲を知らない僕には特に違和感はありませんでした (^_^ゞ。 初版はハムレットは死なずに王になる結末でしたが、ハムレットが死ななくては納得しないイギリス人のために (^_^; イギリス公演版が書かれ、今回はイギリス公演版による上演だそうです。 ![]() METライブビューイング アンブロワーズ・トマ作曲《ハムレット》 2010年4月11日(日)10:30AM ミッドランドスクエアシネマ 指揮:ルイ・ラングレ 演出:パトリース・コリエ & モーシュ・ライザー アムレット[ハムレット]:サイモン・キーンリーサイド オフェリ[オフィーリア]:マルリス・ペーターゼン ジェルトリュード[ガートルード]:ジェニファー・ラーモア クロード[クローディアス]:ジェイムズ・モリス まずトマの音楽が魅力的なメロディーや緊迫した場面に溢れ、予想を遙かに超えた魅力的なもの。 管楽器の派手なソロもあって、もっと上演の機会があっても良い作品かと思いました。 ルイ・ラングレ(フランス人)の指揮はフランス風と言うよりはドラマティックな堂々としたものでした。 パトリース・コリエ & モーシュ・ライザーの演出の大道具は動く壁とテーブルだけ。 それでいてすきま風の吹かない緊迫した舞台を作り上げています。 こういう演出は大好きです。 キーンリーサイド(イギリス人)は初めて見る人ですが、歌に演技に、この上ないハムレットを見せてくれました。 オフィーリア役のナタリー・デッセイが初日の10日前(?)に降板してしまい、ウィーンで現代オペラを歌っていたペーターゼンが急遽代役になったそうです。 メットはペーターゼンの元へトレーナーを派遣し、彼女はインターネットで指揮者のラングレと連絡を取り合い、役柄を把握していったそうです。 オフィーリア役は「狂乱の場」などコロラトゥーラの聴かせどころが多いのですが、ペーターゼンは代役にもかかわらず、とても良いオフィーリアだったと思います。 メットでは《ルル》で主役を歌う予定だそうです。 他のキャストも脇役まで実力者で固められていましたが、初めて見るジェニファー・ラーモアのガートルードは特に気に入りました。 |