びわ湖の夏・オペラ ビエンナーレ 《ミニヨン》
2006年7月23日(日) 2:00PM びわ湖ホール

滋賀医科大学  「REVIEW06」に戻る  ホームページへ
 
 
 僕は 《ミニヨン》 というオペラを、2001年5月2日にミュンヘンのゲルトナー劇場で見て、これが恐ろしくつまらなかった。
 指揮者の佐藤功太郎さんが6月15日、十二指腸がんで逝去されたため(享年62歳)、指揮者が副指揮者の大島義彰さんに変更された。
 演出の岩田達宗さんは03年の堺シティオペラ 《三部作》では感心したけれど、2年前のビエンナーレ《ジプシー男爵》にはガッカリした。
 キャストはオーディションで選ばれた知らない人ばかり。

 心配ばかりですが、でも行かなくては。
 この機会を逃せば、この珍しいオペラを二度と見ることが出来ないかもしれないから。

 この日は雨模様で、楽しみにしていた琵琶湖の景色は全く見ることが出来ませんでした。
 残念!

びわ湖ホール ロビー 琵琶湖はこんなもの
 

   びわ湖の夏・オペラ ビエンナーレ
       A.トーマ 《ミニヨン》

     2006年7月23日(日)2:00PM
       びわ湖ホール大ホール

       指揮:大島義彰
       演出:岩田達宗

       ミニヨン:山本 福久
       フィリーヌ:安田享子
       ヴィルヘルム:喜納健仁
       ロタリオ:萩原寛明
       ラエルト:竹内直紀
       フレデリク:増渕弥生
       ジャルノ:石原祐介
       アントニオ:中西金也

  合 唱:オペラ ビエンナーレ合唱団
       ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団
  管弦楽:大阪センチュリー管弦楽団

 開幕の合唱で、子供達がグループではなく一人一人で動いているところを見て、今日の舞台は期待できそうだと予感しました。

 舞台装置は本格的な美しいもの。
 岩田さんの演出は正統的ながらも所々にアイディアがあり、先の合唱に見るように細かいところまで気配りが行き届いている。

 指揮者の大島さんはとても代役とは思えぬ手の内に入った指揮ぶりで、オケのメンバーから拍手を受けていました。
 キャストはどの人も初々しい好演で、新人歌手のレベルの高さを、頼もしく感じました。

 ストーリーは第二幕までフィリーヌを追いかけていたヴィルヘルムが、第三幕になると突然ミニヨンを熱烈に愛するようになっていて、惚け老人のロタリオが一瞬にしてしっかりした屋敷の主人になって、しかも突然ミニヨンのお父さんなんですから、付いていくのが大変です。

 しかし、トーマの音楽はミニヨンの「君よ知るや南の国」やフィリーヌの「私はティタニア」など、魅力的なメロディーが多い。

 日本語上演で字幕つき。
 これが苦心のあとが見えて面白い。
 一番可笑しかったのは「バツイチですか?」かな (^_^ゞ。

 「私はティタニア」を歌い終わったフィリーヌは、舞台中央の小さいステージに上り、最後のポーズを決めなくてはなりません。
 しかし、スカートが階段に引っかかってしまいました (@o@)。
 それほど長いスカートではないのに、引っ張っても取れません。
 フィリーヌ役の安田さんの困惑はどれほどのものだったでしょう。
 しかし、そばにいた役者が気が付いて、外してくれたので、彼女は最後のポーズに間に合ったのでした (^_^) 。

  カーテンコールで演出の岩田さんは数珠を持って現れました。
 新興宗教の信者か? とも思ったのですが、舞台奥に佐藤功太郎さんの遺影が写されて、そういうことかと思い至りました。
  
 
滋賀医科大学  「REVIEW06」に戻る  ホームページへ