名古屋フィルハーモニー交響楽団 ブラームス・ツィクルス#2
2010年8月26日(木)6:45PM 市民会館オーロラホール
指揮:ティエリー・フィッシャー 独奏:川久保賜紀

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 ティエリー・フィッシャー&名古屋フィルハーモニー交響楽団による『ブラームス・チクルス』第2弾。
 5月23日の交響曲第1番が期待はずれの出来(僕にとっては)だったので、今回の楽しみは初めて聴く川久保賜紀さんのヴァイオリン。

 しかし、ウィークデイの夕方は6時半まで仕事があります。
 市民会館がある「金山駅」まで、我が家からは地下鉄名城線(環状線)で直通なんですが、右回りでも左回りでも25分かかってしまいます。
 ちょうど名古屋の反対側なんですね。

 目指すヴァイオリン協奏曲が始まるのは7時10分でしょうか。
 たまたまお客さんが切れたので、強引にシャッターを下ろし、6時20分に出発です。

 地下鉄金山駅からエスカレータで2階の大ホールに向かうと、上から係員の「お急ぎ下さい~!」の声。
 しかし名古屋では『エスカレータを歩くことはマナー違反』とされています (^_^; 。
 受付を通るとチューニングの音が聞こえてきました (@o@)。

 僕の席は3階(安い)なので、必死で階段を駆け上ります。
 ドアを開けて空いた席に座ろうと見渡すと、ほぼ満席状態 (@o@)。
 僕が自分の席に着いたのとソリストが登場したのはほぼ同時(7時00分)。

 計算間違いで、危ないところでした (^_^ゞ。
 『大学祝典序曲』って短い曲(10分)なんですね。

    第22回市民会館名曲シリーズ
    ブラームス・ツィクルス#2
  2010年8月26日(木)6:45PM
  中京大学文化市民会館オーロラホール

  指揮:ティエリー・フィッシャー
  独奏:川久保賜紀

  大学祝典序曲 作品80
  ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77
  交響曲第2番ニ長調 作品73

 楽しみにしていた川久保賜紀さんのヴァイオリンは線が細く、感情の起伏にも乏しいものと(僕には)思われました。
 川久保さんは2002年のチャイコフスキーコンクールで、1位なしの2位だったそうです。

 交響曲第2番は予想を遙かに上回る、素晴らしい演奏でした。
 楽章が進むに従ってどんどん面白くなりまして、品格がありながら、燃え上がるところは燃え上がる。
 まあ、この曲は最後が派手に終わって「ブラヴォー!」が飛びやすい作りなんですが、果たして盛大な「ブラヴォー!」が飛び交っておりました。
 第1フルートが合っていないと(僕が)感じるところが何カ所かありました。


 『交響曲第2番』を評した、テオドール・ビルロート(ブラームスの友人であり世界で初めて胃切除術に成功した大外科医)の「この曲はすべてが青い空、川のせせらぎ、太陽の光と涼しい森の木陰だ。ペルチャッハとはどれほど美しいところだろう」という言葉に惹かれて、僕がペルチャッハを訪れたのは1991年8月7日のことでした。

 僕はこの頃から「音楽史跡を訪ねる旅」をするようになったのでした。

 しかしながら、ペルチャッハの観光案内所の女性は、ブラームスが滞在した家を知りませんでした。
 所長とおぼしき男性から、ブラームスが住んだ家は『ラパッツ』というペンションだと聞き、ホテル・レオンシュタインにある胸像も見ることは出来たのですが、関係者も『ブラームスの家』を知らないとは。

 僕は大変危機感を持ちまして、「ペルチャッハを大事にして欲しい」という手紙をオーストリア観光局に書き、「レコード芸術」に投稿、掲載されたのでした。

 そして今、ペルチャッハでは1994年から『ブラームス国際音楽コンクール』が毎年開催されているそうです (^_^) 。
 
 
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