フィッシャー&名フィル 『ブラームス・ツィクルス(Ⅰ)』
2010年5月23日(金)4:00PM

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 ティエリー・フィッシャー&名古屋フィルハーモニー交響楽団による『ブラームス・ツィクルス』が始まりました。
 これはなかなか趣味の良いツィクルスで、4回に分け、ブラームスの4曲のシンフォニーと2曲のピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲を演奏するというもの。

    2010年5月23日(日)4:00PM
  中京大学文化市民会館オーロラホール

    指 揮:ティエリー・フィッシャー
    ピアノ:小菅 優*

  ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15*
  ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68

 僕はブラームスのピアノ協奏曲第1番が大好きで、シュトルム・ウント・ドランクと言いましょうか、ブラームスのクララに対する愛情が吹き出してくるような、濃厚な演奏を期待しておりました。
 ところが、冒頭のオーケストラの部分から古典的と言いましょうか、行儀の良い音楽で、がっかりしてしまいました。

 小菅 優さんは09年10月15日のリサイタルでも感じたのですが、音の美しさが今ひとつ。
 また、オーケストラとピアノの組んずほぐれつの格闘を聴きたかった僕としては、音量というか馬力が足りない感じでした。
 ソロ・アンコールがあり、メンデルスゾーンの無言歌『デュエット』でした。

 『交響曲第1番』も古典的な演奏でありまして、「ティエリー・フィッシャーでなくては」というものを感じることが出来なかったのは残念でした。
 小菅さんにもフィッシャーにも盛大な「ブラヴォー!」が飛んでいましたから、皆さまは満足されたようです。
 そうそう、本日は市民会館の4階までお客さんがいっぱいで、驚きました。

 1876年、作曲家としての名声も高まったブラームスは、夏の仕事場としてバルト海リューゲン島にあるザスニッツを選び、交響曲第1番の作曲に本格的に取り組みました。
 1999年5月3日、僕はザスニッツを訪れ、そして、ヨハネス・ブラームス・シュトラーセについて報告したのでした。
 いまインターネットで検索してみても、ザスニッツのブラームスについて新しい情報はないようです。

 この交響曲はザスニッツでは完成せず、9月になって移ったバーデン・バーデンのリヒテンタールで完成しました。
 バーデン・バーデンのブラームス記念館も訪れたことがあります。

 フィッシャー&名フィルの演奏を聴きながら、いろいろ想い出しましたね。
 
 
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