ティエリー・フィッシャー&名フィル ブラームス交響曲第3番
2011年2月23日(水)6:45PM 名古屋市民会館 大ホール

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 二期会《サロメ》の終演が4時頃だったでしょうか。
 新幹線で急いで戻って、6時45分からティエリー・フィッシャー&名フィルのブラームスチクルスです。

 僕はアマオケでブラームスの交響曲をすべて演奏したことがありますが、第3番が一番好きです。 一番難しいけれど。
 第1楽章や第4楽章の盛り上がる部分など、ブラームスの鬱々とした熱情と複雑なリズムに頭に血が登り、演奏しながらクラクラしてきます (^_^ゞ。
 第2楽章の秋の夜道をトボトボ歩くようなクラリネットの寂しいメロディーには「人生のたそがれ」を感じたりします。
 作曲は1883年で、当時ブラームスは50歳でした。

 僕は山岡重信先生の指揮でゲネプロ・本番を合わせて、一日でリヒャルト・シュトラウス『ドン・ファン』を4回、『ブラ3』を3回全曲演奏したことがあるのですが、あれは我がオーケストラ人生で最も幸せな日の一つでした (^_^) 。

 名フィル ブラームス・チクルス #3
 2011年2月23日(水)6:45PM
 名古屋市民会館 大ホール

 指揮:ティエリー・フィッシャー

 『悲劇的序曲』
 『ヴァイオリンとチェロのための協奏曲』
 ヴァイオリン: ルー・ウェイ
 チェロ:趙静
 『交響曲3番』

 ソリストの二人は北京出身のご夫婦。
 ヨーロッパで活躍中のルー・ウェイは線の細いヴァイオリニストかと思いました。
 趙静の名前は最近よく目にしますが、東京音楽大学卒業。
 暖かく柔らかい音で、2008年にスイスで製作された楽器を使っているそうです。

 『ヴァイオリンとチェロのための協奏曲』は1887年に作曲されたブラームス最後の管弦楽作品であり、あまり成功した作品ではないとされています。
 本日の演奏は室内楽的な演奏で、退屈せずに聴くことが出来ました。

 ソリストアンコールは、ヘンデル/ハルヴォルセン:パッサカリア(原曲:ハープシコード組曲第7番ト短調より第6曲)で、洒落たヴァリエーションでした。

 期待の『ブラ3』はきちっとまとまった、さらさらと流れる演奏で、残念ながら好みの演奏ではありませんでした。
 第4楽章の中間部では盛り上がりましたが、名フィルのアンサンブルの精度も今ひとつかと思いました。

 ブラームスは1883年の夏、ヴィースバーデンに滞在して『交響曲第3番』を作曲しました。
 僕は2000年5月6日にヴィースバーデンを訪れました。
 ヴィースバーデンはフランクフルト空港から最も近い街で、日本から最も近いドイツの街と言えるでしょう。
 彼が住んだ家はシェーネアウスジヒトの7番で、門扉にプレートが掛かっていました。

 高い建物が無かった当時は『 SCHO:NE AUSSICHT =美しい見晴らし』というように見晴らしが良かったのでしょう。
 僕はブラームスの避暑地を尋ね回っているのですが、どこでもブラームスの避暑地の近くには公園があります。
 この家はクアパークに近く、ブラームスはクアパークを散策しながら交響曲第3番の構想を練ったのでしょう。
 

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