マックス・ポンマー指揮 名フィル第380回定期演奏会
2011年5月21日(土) 4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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  名古屋フィルハーモニー交響楽団
    =第380回定期演奏会=

  2011年5月21日(土) 4:00PM
  愛知県芸術劇場 コンサートホール

  指揮:マックス・ポンマー

  ワーグナー:《ローエングリン》より
             第3幕前奏曲,第1幕前奏曲
  シェーンベルク:『浄められた夜』(弦楽合奏版)
  シューマン:交響曲2番ハ長調

 聞き慣れない曲目が並んだプログラミングのためか、客席は少し寂しかったけれども、これは聞き逃した方が気の毒になるような、素晴らしい定期演奏会でした。

 プロレスの技のような名前のマックス・ポンマーは、1936年ライプツィッヒ生まれ。
 ライプツィッヒ音楽院に学び、カラヤンの指導も受けたようです。

 《ローエングリン》第3幕前奏曲のホルンが華々しく主題を吹き上げる部分で、ポンマーは下手に位置するホルンとは反対側を向いて指揮棒を振りました (@o@)。
 そこにいるのはリズムを刻むヴィオラとチェロ・バスで、この瞬間、僕は「この指揮者はただ者ではない」と直感しました。

 珍しい曲順である第3幕前奏曲から第1幕前奏曲へは、ほぼ続けて演奏されました。
 この第1幕前奏曲はゆっくりしたテンポの精妙な音楽で、徐々に盛り上がった2度のクライマックスのシンバルには痺れました。
 プロフィールを見ると、オペラハウスでの経歴は書かれていませんが、どのようなものでしょうか。

 シェーンベルク『浄められた夜』も同じように、弦楽器のアンサンブルが美しくロマンティック。
 この曲は齊藤一郎&セントラル愛知交響楽団の演奏にも感心したことがあります。

 シューマンの交響曲2番は、プログラムに「私はこの作品を半病人の状態で作曲した」「作曲者の精神状態を反映した激しい緊張感」と書かれているように、シューマンの精神状態が不調だったときの作品のようです。
 プログラムには「形式的に難解な点が多いと指摘されてきた」と上手く解説されていますが、正直に言って訳の分からない曲でした。

 それでも、ポンマー指揮する名フィルの演奏が素晴らしいものであったことは間違いありません。
 このようなアンサンブルを作り上げる達人に名フィルの常任指揮者になっていただきたいけれど、年齢的に難しいでしょうか?
 

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