セントラル愛知交響楽団第101回定期演奏会
==仲秋や祈りの声は闇に消え==
2009年9月11日(金)6:45PM  しらかわホール

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 第100回定期演奏会《フィデリオ》ですっかり気に入ってしまった齊藤一郎&セントラル愛知交響楽団ですが、第101回定期演奏会もまたクラシック音楽ファンの心をくすぐる、マニアックなプログラムでした。

  セントラル愛知交響楽団第101回定期演奏会
    =仲秋や祈りの声は闇に消え=
 2009年9月11日(金)6:45PM  しらかわホール

  指揮:齊藤一郎  ピアノ:エリック・ハイドシェック

 木下正道:『問いと炎』(委嘱作品)
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番『戴冠式』
 モーツァルト:交響曲第34番
 シェーンベルク:浄夜(弦楽合奏改訂版)

 ウィークデイなので、最初の『問いと炎』は聴くことが出来ませんでした。
 3人の臨済宗のお坊さんが、ソリストだったようです。

 僕は昔は真面目に「レコード芸術」を読んでおりまして、エリック・ハイドシェックのレコードが発売されるたびに宇野功芳さんが絶賛するものですから、生きておられるうちに一度は聴いておかなくては、と08年6月4日に宗次ホールのコンサートに出かけたのでした。

 あの時は「これが人生最初で最後の機会」と思ったのですが、今回は宇野功芳さんが必ず大大絶賛するモーツァルトのピアノ協奏曲を聴く機会が巡ってきたのです。

 ハイドシェックのピアノの音は澄んだ美しい音色でした。
 しかし70歳を過ぎ、さすがに指の回りは衰えているようです。
 ピアノが走ってしまって、指揮者がソリストの近くまで寄って合わせる場面もありました。
 しかし、伝説の巨匠の弾くモーツァルトのピアノ協奏曲を聴くことが出来たのは、ありがたいことでした。

 モーツァルトの交響曲第34番は初めて聴きましたが、1780年、ザルツブルク時代に書かれた最後の交響曲だそうです。
 モーツァルトが《イドメネオ》初演のためにミュンヘンに出発し、ザルツブルクと決別したのは1780年(24歳)のことでした。
 1782年にウィーンで作曲された交響曲第35番『ハフナー』に較べると、やはり魅力に欠ける曲かと思いました。

 本日のメインはシェーンベルクの『浄夜(弦楽合奏改訂版)』。
 9月5日(土)の名フィルでウェーベルンとベルクを聴いたので、一週間で十二音技法の3人を聴くことになりました。
 すごいですね (^_^; 。

 『浄夜』はシェーンベルク初期の作品で、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスを思い起こさせる、濃厚にロマンチックな曲でした。
 齊藤一郎さん指揮するセントラル愛知交響楽団の演奏は、力感に溢れた本当に素晴らしいものでした。
 ベルクのヴァイオリン協奏曲はもう結構ですが (^_^ゞ、この曲は何度も繰り返して聴きたい曲でした。

 あまり感心したので、12月10日(木)の『第九』のチケットを買ってしまいました。
 フィッシャー&名フィルとの聴き較べが楽しみです。
 
 プログラムに第100回定期演奏会《フィデリオ》の写真が載っていたので、《フィデリオ》のレポートに貼っておきます。
 写真を見て舞台を思い出し、また泣けてきました。

 11月22日(日)の関西二期会《フィデリオ》のチケットは確保してあります。
 飯守泰次郎&栗山昌義コンビの舞台も、大変楽しみにしております。
 
 
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