ミュージカル《本能寺が燃える》 2011年6月21日(火)6:45PM 名古屋能楽堂 |
2010年10月から同年12月にかけてFM AICHIで放送された、オリジナル・ラジオ・ミュージカル《本能寺が燃える》を舞台化した公演。 このラジオ番組は日本の放送文化の向上を願う、第48回(2010年度)ギャラクシー賞奨励賞を受賞しました。 ミュージカル《本能寺が燃える》 2011年6月21日(火)6:45PM 名古屋能楽堂 脚本・作詞:あおい英斗 作曲:なかむらたかし、山本雅史 指揮:中村貴志 管弦楽:あおい室内管弦楽団 明智光秀:吉田知明(LEGEND) 帰蝶(お濃):金原聡子(きんばらさとこ) 織田信長:加藤利幸 斉藤道三:森山孝光 南光坊天海:谷友博 木下藤吉郎(羽柴秀吉):岩本琢磨 徳川家康:加賀誠二 足利義昭:土屋雅人 今川義元:平林清志 森 蘭丸:里中祐介 明智光秀と帰蝶は互いに好意を持っていたが、帰蝶は政略結婚で信長の元へ嫁ぐ。 やがて光秀は信長の家来となって‥‥。 場面ごとに南光坊天海(光秀が生き延びて天海となったという伝承がある)による説明があって、芝居があって、それから歌になるという展開がもどかしい。 ラジオ・ミュージカルのしっぽを引きずっているのでしょうか。 《オペラ座の怪人》や《レ・ミゼラブル》に説明がありますか? 「本能寺の変」は有名ですから、説明は不必要でしょう。 再演の時には、もう少し音楽を表に出した作品作りをお願いしたい。 光秀は真面目で好ましいキャラクターでしたが、帰蝶は信長に嫁ぎながら、再会した光秀にちょっかいを出す、浮気女でした。 演ずる人に責任はないんですがね (^_^; 。 なかむらたかし、山本雅史の二人による楽曲は美しく分かりやすい曲が多く、CDを買ってしまいました (^_^) 。 作曲のなかむらたかしさんと指揮の中村貴志さんは同人物。 演出家の名前が書かれていませんでしたが、舞台に芯がない感じで弱かったでしょうか。 衣装はサイケですごかったです (^_^ゞ。 光秀役の吉田知明さんは名古屋市出身。 国立音大卒業後イタリアに留学。 2005年オペラユニット「LEGEND」を結成。 役者としては今回が初舞台でしょうか? この経験を生かして、活動の場を広げていただきたいものです。 帰蝶役の金原聡子さんは、旭丘高校から東京芸大声楽科に進んだという経歴が珍しい。 旭丘高校は愛知一中の流れをくむ進学校。 名古屋では公立なら旭丘高校、私立なら東海高校という世評で、「旭丘高校 VS 東海高校 ― 名門校ライバルものがたり」なる本まで出ています。 東海高校についてはオストメールオーケストラで説明しました。 旭丘高校から東京芸大声楽科に進んだ人は初めてでしょうか? 音楽家を目指すなら、明和高校や菊里高校の音楽課程に入るもので、ここから東京芸大に進んだ人はたくさんいるんですけれどもね。 金原さんは、声がちょっとオペラっぽかった。 ミュージカルは、もっと胸声で押していただきたい。 加藤利幸さんの信長は迫力があって、芝居は大須オペラで鍛えられているし、存在感がありました。 加藤さんのために書かれた迫力のあるナンバーがあり、盛大な拍手を受けていました。 本能寺の変で信長が死んだ後、今までは隅にいた天海が舞台に登場しまして、長いナンバーを歌いましたが、脇役が突然主役の座を奪ったような違和感を感じました。 天海役、谷友博さんの歌唱は立派でしたけれど。 舞台の進行が遅れまして、終演は9時15分過ぎ。 9時半に駐車場が閉まってしまうということで、車の人はあわてて出て行きました。 関係者の熱意は十分に感じることが出来る有意義な公演でしたが、もっと短くすることが出来る作品かと思いました。 |