名古屋フィルハーモニー交響楽団第397回定期演奏会
 2012年12月15日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール
指揮:広上淳一 ヴィオラ:川本嘉子

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 第363回定期演奏会の「オーゼの死」で、鼻息や唸り声が気になって、しばらく敬遠していた広上淳一さんですが、名フィルの定期会員なので行ってきました。
 今日は鼻息や唸り声も気にならず、素晴らしい『シェエラザード』を聴かせていただきました。

 名古屋フィルハーモニー交響楽団第397回定期演奏会
 2012年12月15日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:広上淳一
 ヴィオラ:川本嘉子

 ラーション:田園組曲
 バルトーク:ヴィオラ協奏曲
 リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』

 スウェーデンの作曲家ラーシュ=エリク・ラーション(1908~86)の「田園組曲」は自然にあふれた田園らしい聴きやすい曲でした。

 バルトークのヴィオラ協奏曲は彼の遺作だそうですが、曲も演奏もよく分かりませんでした。
 ソロアンコールはバッハ: 無伴奏チェロ組曲第3番より「サラバンド」でした。

 『シェエラザード』のような名曲はどんな演奏でもそれなりに満足できてしまいますが、今日の演奏は1ランクも2ランクもレベルの高いものでした。
 最初のヴァイオリンソロに合わせるハープの決然とした和音を聞いたとき、「これは尋常ではない演奏が聴けそうだ」と大いに期待しました。

 本日のコンサートマスターは新コンサートマスターの田野倉雅秋さんでした。
 東京芸大からジュリアードに進み、ドロシー・ディレイらのお弟子さんだそうです。
 お披露目となった第393回定期演奏会 ウォルトンのヴァイオリン協奏曲はあまり記憶に残っていませんが、今日の演奏は切れ味の良いものだと感心しました。

 2曲目の「カランダール王子の物語」で広上さんは時々指揮を止め、管楽器ソリストの自由に演奏させました。
 ジャズのアドリブみたいなものでしょうか。
 これに応えたボルショス(クラリネット)、シャシコフ(ファゴット)の演奏は凄まじいものでした。

 スケールの大きい盛り上がりを経て曲はピアニシモで終わりましたが、沈黙の中指揮棒が下がるまでフライングブラボーは無く、名古屋の音楽ファンの節度ある態度を好ましく思いました。

 カーテンコールでは広上さんのスピーチがありました。
 僕の席は3階後方で、音楽を聴くのに問題は無いのですが、マイク無しのスピーチを聞き取るのは難しかった。
 何とか聞き取れたところでは、
 「僕は名古屋に育てられた」
 何回も書いているけれど、僕は名フィル副指揮者だった広上さんに、ファミリーレストランで夕食をおごったことがあります。

 「東京音大の弟子である川瀬賢太郎の《第九》をよろしく」
 川瀬賢太郎さんの《第九》は12月23日(日・祝)4:00PM,24日(月・休)4:00PMで、大いに楽しみにしています。

 「アンコールは最初に演奏した田園組曲の「ロマンス」です。この曲は首席指揮者を務めていたノールショピング交響楽団の名古屋公演のアンコールで演奏した曲です」
 本番で聴いたより、アンコールの方がずっと名曲に聞こえました。
 スピーチの効果でしょうか?
 

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