あらかわバイロイト特別公演 2012年2月29日(水)7:00PM
G.プッチーニ作曲 《修道女アンジェーリカ》 & 《ジャンニ・スキッキ》

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 僕は《修道女アンジェリカ》が大好きなので、出来るだけ多くの舞台を見たいと思っています。
 2010年に大隅智佳子さんの舞台を見てから、しばらく上演の機会が無かったので、今日は東京まで遠征しました。
 朝から東京は大雪とのニュースが流れて、帰りが心配なことです。

 オペラ劇場あらかわバイロイト 特別公演
 TIAAオペラ第52回公演
 G.プッチーニ作曲《修道女アンジェーリカ》&《ジャンニ・スキッキ》

 2012年2月29日(水)7:00PM
 会場:サンパール荒川大ホール

 指揮:佐藤 正浩
 演出:彌勒 忠史
 公演監督:田辺とおる

 管弦楽:TIAAフィルハーモニー管弦楽団
 合唱団:あらかわオペラシンガーズ
      荒川タウン合唱団

 アンジェーリカ:福田玲子
 公爵夫人:杉野麻美
 修道院長・修道女長:吉山博子
 
 ジャンニ・スキッキ:秋山隆典
 ラウレッタ:盛田麻央*
 リヌッチョ:志摩大喜
 ツィータ:田代香澄

 舞台はキューブを組み合わせたような抽象的なものでしたが、それなりに見えました。
 《修道女アンジェーリカ》では、修道女達が舞台の外を一周歩くと、それが舞台転換になるというアイディア賞もの。
 
 演出の彌勒忠史さんは歌手として活躍されていますが、演出家としてはもっと経験が必要かと思いました。

 《修道女アンジェーリカ》前半の修道女達はレベルにばらつきがあり、あまり良いアンサンブルだとは思えませんでした。

 アンジェーリカ役の福田玲子さんは大変声量のある方でした。
 ただ声が太いので、清純なアンジェーリカにはどうかな?とは思いました。
 福田さんの声は高い音から低い胸声までむらなく響き、むしろサントゥッツァやカルメンに向いているような気がしました。

 公爵夫人が登場してからは舞台は二人だけになり、緊迫感が漂ってきます。
 『母もなく』のアリアからは福田さんの一人舞台となり、その迫力には圧倒されました。
 このオペラは、本当にどこまでも泣けます (^_^ゞ。

 パリオペラ座のオーケストラで活動しておられるOさんのブログに「客席とピットの温度差」という文章がありました。
 《修道女アンジェリカ》は、終始ゆっくりの綺麗だけれど重い感じの音楽がどんよりと流れていて、オケピットの中は皆うつろな眼つきで睡魔と闘いながら、早く終わらないかと思っています。
 しかし、《修道女アンジェリカ》終了後ロビーに出た同僚は、お客様が皆感動して泣いていたのを見た‥‥という面白い文章でした。

 僕の席のそばの若い女性は、「で結局、どうなったの?」と言っていました (^_^ゞ。
 字幕と演出の問題でしょうか?

 《ジャンニ・スキッキ》も同じ舞台で演じられましたが、ドナーティ家の人々はサッカーのユニフォームを着ている。
 スキッキとラウレッタはテニスラケットを持って現れる。
 僕はこれらの衣装の変更に、何らかの意味を感じることが出来ませんでした。
 本格的な衣装より安上がりなのかな?

 ラウレッタのアリアは、いつもはリサイタルのように前を向いて歌われることが多いのですが、今回は舞台を歩き回り、壁に登ったり、動きの多いラウレッタで、「オペラならこうでなくては」と嬉しく思いました (^_^) 。
 盛田麻央さんは、なかなか良いソプラノかと思いました。

 一方のスキッキは愛する娘が橋から身投げするとまで言っているのにただ立っているだけで、これはよろしくない。
 僕のデフォルトは2001年10月28日に見たジュゼッペ・タッデイですからね。

 新幹線の都合でここで帰りました。