三ツ橋敬子指揮 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:エリック・シューマン
2012年6月21日(木)6:45PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 三ツ橋 敬子さんは1980年、東京都江東区出身。
 東京芸術大学音楽学部指揮科、その後大学院を修了。
 指揮法を高階正光、小澤征爾、東京芸術大学で小林研一郎、松尾葉子、佐藤功太郎、キジアーナ音楽院でジャンルイジ・ジェルメッティ、ウィーン国立音楽大学で湯浅勇治、マーク・ストリンガーらに師事。
 2010年アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクールで女性指揮者として初となる第2位と聴衆賞をダブル受賞。
 ミラノ在住を経て現在はベネチアを拠点に活動している。

 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
 2012年6月21日(木)6:45PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:三ツ橋敬子
 ソリスト:エリック・シューマン

 スメタナ:交響詩『モルダウ』
 ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調
 ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調『新世界より』

 ホールに入って、お客さんが少ないのに驚きました。
 僕の3階なんか、1~2割で、サイド席も空席ばかり。
 後から明らかに招集を掛けられたと思われる高校生集団が入ってきましたが、話題の三ツ橋さんがこれでは、同じ主催者のリオール・シャンバダール指揮のベルリン交響楽団(6/30)は大変だろうなと思いました。

 登場した三ツ橋敬子さんは小柄な女性で、きびきびとした指揮ぶりでしたが、演奏はステレオタイプというか紋切り型。
 『モルダウ』のように何度も聴いたことがある曲を、普通に演奏されても面白くも何ともありません。
 一生懸命指揮棒を振れば良い演奏になるというほど、音楽の世界は単純なものでは無いでしょう。

 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団はオーケストラとしての音色が統一されていない感じ。
 最初のフルート2本の音色が全く違うのに驚きました。
 この方が、どちらが吹いているか分かりやすいでしょうか (^_^; ?

 ヴァイオリンのエリック・シューマンは2月19日にシューマン・カルテットで聴いたことがあります。
 ソリストとしては技術的にきちっと弾けていると思いますが、訴えるものが乏しい。
 第3楽章になってオーケストラとバラけてきたのかな?
 退屈したので、ソロ・アンコールの前に退散しました。

 この指揮者だったら後半の『新世界』はどういう演奏になるか(紋切り型?)分かるし、無理に我慢して聴かなくてもいいでしょう。

 「音楽の友」によれば、山田和樹さん(1979年)、三ツ橋敬子(1980年)さん、川瀬賢太郎さん(1984年)が「若手三羽烏」なんだそうです。
 山田さんと川瀬さんは追いかけて行きたい指揮者だけれど、三橋さんはそうでは無く、残念でした。

 翌日6月22日(金)にセントラル愛知交響楽団の定期演奏会があり、レオシュ・スワロフスキーの指揮で『スラヴ舞曲全曲』が演奏され、これは超名演でした。
 サントリーホールでは6月27日(水)に三ツ橋 敬子さん、そして翌28日(木)にはレオシュ・スワロフスキーの指揮するスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団演奏会がありますから、指揮者によって同じオーケストラがどれほど変わるのか、それとも変わらないのか、体験してみる絶好の機会かと思います。