第4回 宗次ホールヴァイオリンコンクール記念演奏会
シュロモ・ミンツ ヴァイオリンリサイタル
2013年3月24日(日)3:00PM 宗次ホール

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 2007年から始まった「宗次エンジェルヴァイオリンコンクール」は若きヴァイオリニストの登竜門として2年に一度、宗次ホール主催により開催されるコンクールです。
 このコンクールの特徴は、入賞者にヴァイオリンの名器を貸与すること。

 第1位:A.ストラディバリウス「レインヴィル」1697年/副賞 50万円
 第2位:M.ベルゴンツィー(EX.ミンツ)1764年/副賞 30万円
 第3位:G.F.プレッセンダ(EX.シュルツ)1831年/副賞20万円

 3月25日(月)から30日(土)にかけて行われる「宗次エンジェルヴァイオリンコンクール」を前にして、審査委員長のシュロモ・ミンツによるヴァイオリン・リサイタルがありました。

 僕は2年前のコンサートでミンツの演奏する「シャコンヌ」に多大な感銘を受け、今回のリサイタルも楽しみにしておりました。

 客席にはフェリックス・アーヨを始めとする審査員の姿が見られ、休憩時間のロビーは外国語が飛び交い、華やいだ雰囲気でした。

 第4回 宗次ホールヴァイオリンコンクール記念演奏会
 シュロモ・ミンツ ヴァイオリンリサイタル
 2013年3月24日(日)3:00PM 宗次ホール

 ピアノ:サンデル・シティッヒ

 ブロッホ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番
 サン=サーンス:ハバネラ 0p.83
 サラサーテ:ハバネラ~スペイン舞曲 0p.21より
 サラサーテ:サパテアード~スペイン舞曲 0p.23
 ミヨー:屋根の上の牡牛 0p.58b

 演奏の前にシュロモ・ミンツによる挨拶と曲目の解説がありました。
 2年前のコンクールは東日本大震災と同じ日に始まり、審査員の中には緊急帰国した人もいたのでした。

 シュロモ・ミンツは1957年モスクワに生まれ、2歳に家族とイスラエルに移住。
 11歳でイスラエル・フィルと共演、16歳でカーネギー・ホールにデビュー。
 現在ヴァイオリニスト、指揮者として活躍する世界的音楽家。

 ミンツの演奏は2年前と同じように真摯な隙の無い音による演奏で、このような音で弾かれれば、どの曲も立派な音楽に聞こえてしまいます。

 中でも気に入ったのはダリウス・ミヨー(1892~1974年)の「屋根の上の牡牛」。
 ミンツの解説ではチャップリンの映画のために作曲されたが使用されず、ジャン・コクトーの台本によるバレエのための音楽となった曲だそうです。
 不協和音を巧く使った、実に洒落た曲でした。

 アンコールは「リムスキー・コルサコフのオペラ《金鶏》による幻想曲」という初めて聴く曲でしたが、この曲も大いに盛り上がりました。
 シュロモ・ミンツは素晴らしいヴァイオリニストだと再認識しました。