名古屋フィルハーモニー交響楽団第401回定期演奏会
2013年4月20日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場 コンサートホール
指揮・ヴァイオリン:クラウディオ・クルス

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 常任指揮者にマーティン・ブラビンズが就任した名フィルの新シーズンが始まりました。
 新シーズンのテーマは「ガイア」だそうで、何のことか分からずに困っていましたが、名フィルのHPに解説が書かれていましたので、引用させていただきます。

 「ガイア」とは、イギリスの科学者=ジェームズ・ブロックが唱えた"地球それ自体が一つの生命体でありつながっている"という「ガイア理論」から生まれた言葉で、最近では地球そのものを「ガイア」と表現することも多くなっています。
 地球上の様々な自然の姿を描き、時代を超えた数々の音楽たち……ベートーヴェン《田園》、ラヴェル《海原の小舟》、ドビュッシー《海》、ドヴォルザーク《自然の中で》、マーラー《大地の歌》……自然をこよなく愛した名作曲家による音楽を聴き、地球の美しさをブラビンズ率いる名フィルと再発見してみませんか?
 
 名古屋フィルハーモニー交響楽団第401回定期演奏会
 2013年4月20日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場 コンサートホール

 クラウディオ・クルス (指揮・ヴァイオリン)

 <空気・土-鳥と人の営み>
 ヴィラ=ロボス: 交響詩『ウイラプルー』
 ヴォーン・ウィリアムズ:『揚げひばり』
 ベートーヴェン: 交響曲第6番ヘ長調『田園』

 クラウディオ・クルスは、ブラジル出身の指揮者、ヴァイオリニスト。
 幼少時に父からヴァイオリンの手ほどきを受け、その後、アメリカにおいてジョゼフ・ギンゴールドらに師事。
 1991年にベルリン室内管弦楽団のソリストとしてヨーロッパ・デビュー。
 04~05シーズンには指揮者としても活動を始める。

 ヴィラ=ロボスの交響詩『ウイラプルー』は彼が30歳の時の作品。
 『ウイラプルー』とは夜ごとに歌いインディアンたちを森へ引き寄せる魔法の鳥だそうです。
 楽器編成の大きいヴィラ=ロボスらしいというか、要するによく分からない曲でした (^_^; 。

 『揚げひばり』はクラウディオ・クルスが指揮とヴァイオリン独奏を兼ねた演奏で、とても良い演奏だったと思います。
 ソロアンコールがありまして、フラウシーノ・ロドリゲス・ヴァレ作曲の『永遠の若さ』という無伴奏の曲でした。
 技巧的でありながら分かりやすい、アンコールにふさわしい曲かと思いましたが、曲の名前には驚きました。

 後半の『田園』はプロのオーケストラの定期演奏会の、しかも新シーズン最初の演奏会のメインとしてふさわしい曲なのか、僕は疑問に思います。
 クラウディオ・クルスの演奏は速めのテンポで印象に残るものではなく、名フィルの管楽器群もテンポに合わせるのに気を取られ、実力を出し切れていないように感じました。

 『田園』は今まで何回も聴いていますが、印象に残っているのはアシュケナージの来日公演、アシュケナージの弟子(?)にあたる広上純一さんの名フィル訪欧記念演奏会(アシュケナージそっくりで驚きました)、そしてティエリー・フィッシャーのベートーヴェン・チクルスです。
 ベートーヴェン・チクルスではテスト期間だったクラリネットのボルショスさんが第3楽章で突然暴走を始め、「これではテストに落ちたな」と思ったのですが、今や名フィルが誇るソリストの一人になっておられます。

 首席奏者といえば、首席・次席奏者の改選があったそうで、写真付きで紹介されていました。
 二人の首席奏者が毎回入れ替わっていたセカンドヴァイオリンは小森絹子さん一人が首席となられました。
 チェロとコントラバスは首席奏者がいないようです (@o@)。
 オーボエの首席が寺島陽介さんから山本直人さんと入れ替わったのは意外でした。
 山本さんはイングリッシュホルンの印象が強くて‥‥。
 他にも首席の名が外された方があり、新陳代謝と言いましょうか、厳しいけれどオーケストラの成長のためには良いことなのでしょう。