セントラル愛知交響楽団特別演奏会
高田三郎生誕100年記念 ~高田三郎とゆかりの作曲家たち~
2013年6月29日(土)2:30PM 三井住友海上しらかわホール

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 近代日本の作曲家たちの曲ばかりを集めた演奏会がありまして、これではお客さんが来ないだろうと心配して、当日券で行ってきました。
 ところが、意外にお客さんが入っていて(8~9割)、あまり良い席が確保できませんでした (^_^ゞ。
 この演目に、これだけのお客さんがどこから来たのか、不思議でした。

 セントラル愛知交響楽団特別演奏会
 高田三郎生誕100年記念
 高田三郎とゆかりの作曲家たち

 2013年6月29日(土)2:30PM
 三井住友海上しらかわホール

 指揮:齊藤一郎 チェロ:石川祐支

・信時潔:絃楽四部合奏
・新実徳英:管弦楽組曲「森は踊る」~世界の子どもたちへ~
・高田三郎:狂詩曲第1番、第2番
・安部幸明:チェロ協奏曲

 プログラムによれば、
 2013年は合唱曲「水のいのち」で有名な愛知県出身の作曲家、高田三郎(1913年~2000年)の生誕100年にあたる。
 本演奏会では高田の初期の管弦楽曲のほか、彼にゆかりの作曲家の作品も演奏される。
 信時潔(1887年~1965年)は東京音楽学校での師である。
 安部幸明(1911年~2006年)は作曲グループ「地入会」の同人。
 新実徳英(1947年~)は高田と同じ愛知県出身で、現在最も目ざましい作曲活動を展開する作曲家である。
 現在、日本人作曲家による管弦楽作品の多くは永く再演されず、忘却の彼方に置き去られようとしている。
 今回の演奏会が、そうした現状に対する一石となることを祈りたい。

 新実徳英さんは2005年9月2日に見たシンフォニック・オペラ 《白鳥》があまりに難解で、印象が良くなかったのですが、本日演奏された曲は子供のための親しみやすい作品でした。

 高田三郎さんの狂詩曲第1番、第2番は、それぞれ「木曽節」「追分」をテーマとした、分かりやすく楽しめる作品でした。

 チェロの石川祐支(何回か改名している)さんを初めて聴いたのは林良一門下の発表会で、彼は中学生だったのかな。
 制服を着て弾いたサン・サーンスのチェロ協奏曲(だったと思う)の素晴らしい演奏に僕は仰天してしまいました。
 当時の林良一門下には林裕さん、中木健二さんなど、将来の日本のチェロを背負っていく才能がたくさんいました。
 
 石川さんは1977年、名古屋出身。
 東京音大へ特待生として入学。
 1999年には日本音楽コンクールで一位入賞。
 2003年4月から2005年1月まで東京交響楽団。
 2005年4月より札幌交響楽団主席チェリストに就任。

 NHKで札幌交響楽団の放映があったときに、僕は石川さんを一生懸命探したのですが、指揮者の尾高さんが邪魔になって、あまりよく見えませんでした (^_^; 。
 でも、尾高さんの指揮でたびたび演奏できることは、石川さんにとって幸せなことでしょう。

 安部幸明のチェロ協奏曲は、1942年3月に初演され(チェロ:小澤弘、指揮:山本直忠、新交響楽団)、今回が71年ぶりの再演になるそうですが、あまり良く分からない曲でした。

 齊藤一郎さんの指揮は、いつものようにスケールの大きい、グリップ力の強い音楽でした。
 石川祐支さんの名古屋での活躍を期待しています。

 これで6月が終わり、半年でのレポート数は昨年より10くらい少なくなっています。
 パワーが落ちていますね。
 東京へ行ったのは笛田博昭さんの《仮面舞踏会》だけですか。