沼尻竜典 作曲 歌劇《竹取物語》
2015年9月9日(日)2:00PM びわ湖ホール中ホール

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 沼尻竜典オペラセレクション
 沼尻竜典 作曲 歌劇『竹取物語』(日本語上演/日本語・英語字幕付)

 2015年9月9日(日)2:00PM
 びわ湖ホール中ホール

 かぐや姫:幸田浩子
 翁:清水良一
 媼:永井和子
 帝:与那城 敬
 石作皇子/大将:小堀勇介
 庫持皇子:大山大輔
 阿倍御主人:宮本益光
 大伴御行:晴 雅彦
 石上麻呂足:近藤 圭
 月よりの使者:中島郁子

 台本/作曲/指揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
 演出:栗山昌良

 管弦楽:日本センチュリー交響楽団
 合 唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル

 沼尻竜典さんは三善晃氏のもとで作曲を学び、池辺晋一郎さんの弟弟子。
 オペラ《竹取物語》は横浜市とベトナムのハノイ市が「パートナーシップ協定」を結び、その一環として、作曲されたオペラ。
沼尻さん指揮による演奏会形式の初演が2014年1月18日、横浜みなとみらいホールでおこなわれ、オペラとしての初演は2015年2月ハノイのベトナム国立オペラ劇場で本名徹次氏の指揮で行われた。

 このオペラを見て驚いたのは、忙しい指揮活動の合間に、沼尻さんが立派な台本を書かれていること。
 曲はいわゆる「現代音楽」ではなく、昭和の歌謡曲やロックとクラシックを融合したもの。
 クレージーキャッツやドリフターズのコントなどをイメージし、子どもから大人まで楽しめるオペラを目指したということです。
 実に分かりやすい作品で、美しいメロディーも多かったです。

 客席はほぼ埋まっていたようで、ソールドアウトのようです。
 歌手はどの方も立派な声で、中ホールということが有利に働いたでしょうか。
 大伴御行のアリアは晴 雅彦さんに当て書きだそうで、大変に受けていました。
 いつもながら晴さんすごい。

 大御所、栗山昌良さんの演出は最近は当たり外れがあるような気がしますが、今回はよくできていると思いました。
 かぐや姫の衣装が何年経っても同じというのは残念でしたが、着替えの時間が無いのかな?
 最後に紙吹雪がどさっと降ってくると、1996年7月の《トゥーランドット》1997年11月の《金閣寺》を思い出しまして、「三つ子の魂百まで」かと思いました。

 最後の「弥栄三唱」のコーラスも盛り上がり、これから地方オペラでどんどん上演されていくべきオペラだと思いました。