『オペラの魅力 vol.24』 《カルメン》《マノン》《タイス》
2015年10月31日(土)6:00PM 名古屋市芸術創造センター
 
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 『オペラの魅力 vol.24』 《カルメン》《マノン》《タイス》
 2015年10月31日(土)6:00PM
 名古屋市芸術創造センター

 構成・演出:岡本 茂朗
 指揮/アレッサンドロ・ピエルフェデリーチ(友情出演)
 ピアノ/石山英明、吉井あかね
 ヴァイオリン/富田祥子、横田真規子
 チェロ/坂上諒、フルート/新野智子、クラリネット/若林悠人
 合唱/エウロ・リリカ合唱団

 バレエ/名古屋市芸術創造センターバレエアカデミー
 幸田空、髙田彩加、西尾美紅、三宅知里、山田玲菜
 (参加協力団体:井上智香子バレエ教室、幸田バレエ教室、シャリールバレエスタジオ、NORIKO BALLET STUDIO)

 第一部の《カルメン》だけでも90分かかるという長時間のコンサートでした。
 
◇G..ビゼー作曲 《カルメン》ハイライト
 カルメン/相可 佐代子
 ドン・ホセ/松本 薫平
 ミカエラ/基村 昌代
 エスカミーリョ/岡本 茂朗
 スニガ /森 拓斗
 フラスキータ/つじ村 ふみ惠
 メルセデス/石原 まりあ
 レメンダード/蔦谷 明夫
 ダンカイロ/西元 佑

 カルメンの相可佐代子(おうかさよこ)さんは深みのある豊かな声を持った、カルメン役に相応しい方かと思いました。
 全国的に活躍が目立つドン・ホセの松本 薫平さんですが、喉から絞り出すような発声が苦手でした。

 ミカエラの基村 昌代さんはこの地区のソプラノの第一人者。
 2011年1月29日(パティオ池鯉鮒 かきつばたホール)でカルメン役を拝見しましたが、今回のミカエラの方がずっと合っていると思いました。
 基村さんのミカエラといえば体型が心配 (^_^ゞ でしたが、衣装でそれなりのミカエラに見えました。

 フラスキータのつじ村ふみ惠さんも声がよく出ていたと思います。
 五重唱はとても良い出来かと思いました。

 本日の舞台装置は円形劇場で、カルメンは階段途中で刺されました。
 このまま床まで転げ落ちたら凄いなと見ていたのですが、さすがに、そうはなりませんでした (^_^ゞ。
 最後のコーラスはオケピットで歌いましたが、それもありかなという感じでした。

◇J.マスネ作曲 《マノン》

 マノン:杉浦 葉奈
 デ・グリュー:加藤利幸

 加藤利幸さんは、この地区でのテノールの第一人者。
 杉浦 葉奈さんは初めて聴きましたが、声量もあり、コロラトゥーラのテクニックも冴え、「私が路を行けば」というように舞台姿も美しく、気に入ってしまいました (^_^) 。
 名古屋音楽大学卒業で、ミラノ在住だそうです。

◇J.マスネ作曲 《タイス》ハイライト

 タイス/崔 利先
 アタナエル/岡本 茂朗
 ニシアス/西影 星二
 クロビル/長嶋 莉陽子
 ミルタル/中村 彩乃
 舞姫/山内 雪乃

 今回の公演では《タイス》に一番力が入っていたでしょうか。
 特に、舞台衣装が豪華で輝いていました。
 バレエも美しかったですね。

 これも1時間以上の上演時間になったと思います。
 ストーリーも不自然で、あまり美しいメロディーも無く、退屈もしましたが、今では珍しいオペラを聴かせていただき、有り難いことだったと思っています。

 有名な「瞑想曲」は間奏曲で、コンミスの富田祥子さんによって演奏されました。
 かつてMETライブビューイングで《タイス》が上演されたとき、コンサートマスターが舞台上のカーテンコールにまで引き出され、「子供の頃に習った(簡単な)曲で、こんなに歓声を受けて不思議な気持ちだ」と語っていましたが、この曲は技術的には簡単。
 ただ多くの聴衆を前にゆっくりな曲を演奏するのは、それなりの緊張感があるでしょう。
 
 ニシアスの西影 星二さんは名古屋大学医学部6年生で、小山陽二郞氏に師事、と書かれていたので興味深く拝見していました。
 少し声量は足りないかと思いましたが、素直な美しい声で、その素質を伸ばしていただきたいと思いました。
 まずは医学部卒業試験、医師国家試験に合格しなくてはね。