G.ビゼー作曲 《カルメン》 日本語上演
2011年1月29日(土)5:00PM パティオ池鯉鮒 かきつばたホール

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 2009年5月2日に東京文化会館小ホールで開かれた『全国二期会サミット・コンサートIII 』に、名古屋二期会は基村昌代さんと二宮咲子さんを代表として送り出したのでした。
 その二人が共演される《カルメン》が知立(ちりゅう)市で上演されました。

 指揮はフランス音楽を得意とする松尾葉子さん、ホセは関西のプリモテノール竹田昌弘さん。
 名古屋で上演されてもおかしくないメンバーが揃い、遠方からの来客も多いのでしょう。
 寒風吹きすさぶ名鉄知立駅前には会場へのバス案内係が立っていました。

 知立市八橋は『伊勢物語』の在原業平が「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」と詠んだように「かきつばた」の名勝地であり、知立市の花は「かきつばた」となっています。
 また江戸時代の池鯉鮒は安藤広重の「東海道五十三次 首夏馬市」に描かれたように、東海道の宿場町として栄えました。
 
パティオ池鯉鮒(知立市文化会館) かきつばたホール


 G.ビゼー作曲《カルメン》日本語上演
 2011年1月29日(土)5:00PM
 パティオ池鯉鮒 かきつばたホール

 指揮: 松尾葉子 演出:大島尚志 

 カルメン: 基村昌代
 ドン・ホセ: 竹田昌弘
 ミカエラ: 二宮咲子
 エスカミーリョ: 山口慶太
 スニガ: 安田健
 モラレス/ダンカイロ: 松下伸也
 レメンダード: 宮崎智永
 フラスキータ: 天野久美
 メルセデス: 近藤にれ

 管弦楽: セントラル愛知交響楽団
 合 唱: パティオ・シアター合唱団
 児童合唱: パティオちりゅう少年少女合唱団
 フラメンコ: CHISAフラメンコスタジオ

 チケットはソールドアウトだそうで、開場の30分前には長い列が出来ていました。
 しかし3階の後ろの方には空席もあり、もったいないと思いました。

 最初の男性アンサンブルが整列して歌ったときには嫌な予感がしました。
 少年合唱も整列しての足踏みで、要するに歌う人が前に出てくる段取り演出かと(僕は)思いました。
 演出のためにオペラティックな感興を削がれ、せっかくのメンバーを集めながらもったいないことです。

 段取りということでは2004年10月に見た弘前市民オペラ《カルメン》の平尾力哉演出を思い出しました。
 一方、2004年12月に見た蒲郡市制50周年記念《カルメン》の岩川均演出は素晴らしかったですね。
 そういえば、蒲郡のカルメン役、近藤にれさんは本日のメルセデス。
 実力派が揃った五重唱はとても良かったです。

 歌手ではホセ役の竹田昌弘さん。
 声量は物足りない所もありましたが、カルメンに捨てられて自暴自棄になってからの演技が素晴らしかった。

 ホセが必死に復縁を迫るのに、カルメンの基村昌代さんは前を向いたままの歌唱です。
 演出家の指示でしょうか、基村さんご自身の演技プランでしょうか、せっかくの二重唱が噛み合わず残念でした。

 終演後は名鉄知立駅までのシャトルバスが出まして、料金は100円とびわ湖ホールの半額でした (^_^) 。
 

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