名フィル 第431回定期演奏会  指揮:尾高忠明
2016年1月16日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場 コンサートホール

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 今回のプログラムは、R.シュトラウスとブルックナーという巨匠の晩年の作品を揃えた趣味の良いもので、指揮者が尾高忠明さんということもあり、満席かと思いましたが、意外なことに空席が目立ちました (^_^ゞ。

 名フィル 第431回定期演奏会 <変容とその前>
 2016年1月16日(土)4:00PM
 愛知県芸術劇場 コンサートホール

 指揮:尾高忠明

・R.シュトラウス:メタモルフォーゼン-23の独奏弦楽器のための習作
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調[コールス版]

 「メタモルフォーゼン」は第二次世界大戦の末期、1944年から45年にかけてガルミッシュの山荘で作曲されました。
 そして、ナチス・ドイツ崩壊直前(ヒトラーの自殺は4月30日)の4月12日に完成されました。

 23人の奏者一人一人に譜面台が付き、一人で弾く部分、グループで弾く部分など、入り組んだ作曲技法に感心しました。
 しかし、全体を貫くメロディーラインのようなものが分からず、難解でしたね。
 
 未完に終わったブルックナーの9番には異稿はなく、今まではノヴァーク校訂版(1951年)が演奏されてきました。
 本日の演奏は尾高さんの希望でコールス校訂版 (2000年)を用いて演奏されました。
 1965年生まれのドイツの音楽学者・指揮者ベンヤミン=グンナー・コールスによる新校訂版は、ウィーンで新たに発見された筆写譜を参照とし、ノヴァーク版に比べ30ヶ所程度の修正があるそうですが、もちろんその違いは分かりませんでした。

 演奏は大変素晴らしいものでした。
 尾高さんの指揮で聴くと、「名フィルのレベルは高い!」といつでも感心してしまいます。
 第3楽章の最後は、ホルンのハイ&ロングトーンを吹く安土さんと、尾高さんの対決だったでしょうか。
 安土さんが息尽きて倒れるのではないかと、ハラハラしましたよ。

 オーボエに女性奏者が入団しました。
 武生 桃さんは1989年11月、札幌市生まれ(27歳?)。
 愛知県立芸大、桐朋学園大学を経て、1月1日付で入団。
 名フィルでは、県芸出身の管楽器奏者は少ないのではないでしょうか?

 フルートのエキストラは、本日も大谷加奈さんでした (^_^) 。

 出演メンバー表を見ていたら、「ホルン」のエキストラは大谷加奈さんだけ。
 でもステージには8人のホルン奏者が並んでいるんです。
 そして、「フルート」には5人の名前が並んでいるんです。
 コールス校訂版ではフルートのバンダでもあるのでしょうか?

 結局「ホルン」と「フルート」の校正ミスだったのですが、しばし悩んで、曲に集中できませんでした。
 ホルンのエキストラは、大阪の方が多かったようです。