レクチャー+オペラ ヴェルディ 《椿姫》 2016年2月28日(日)3:00PM 高槻現代劇場中ホール |
僕はヴェルディのオペラは苦手で、特に《椿姫》と《オテロ》。 しかし、可愛い石橋栄実さんのヴィオレッタが冷酷なジェルモンの田中勉さんにイジイジと苛められる舞台を見逃すわけにはいきません。 アルフレードの清原邦仁さんも関西歌劇団の《ジャンニ・スキッキ》や《イル・トロヴァトーレ》で感心したテノールだし。 高槻といえば、2016年1月21日に教皇フランシコから福者に認定された、戦国時代のキリシタン大名ユスト高山右近でしょうか。 高槻城跡公園に右近の立像、カトリック高槻教会に座像がありました。 カトリック高槻教会の隣に、オペラが上演された高槻現代劇場が建っていました。
![]() レクチャー+オペラ 《椿姫》 2016年2月28日(日)3:00PM 高槻現代劇場中ホール お話「ヴェルディが《椿姫》で表現したかったこと」 中村孝義(大阪音楽大学理事長・教授) ヴェルディ: オペラ《椿姫》抜粋(日本語字幕あり) ヴィオレッタ:石橋栄実 アルフレード:清原邦仁 ジェルモン:田中 勉 ガストン:中川正崇 アンニーナ:長町香里 ピアノ:關口康祐 演出・字幕作成:唐谷裕子 公演は2部に別れて行われました。 前半、後半の最初に中村孝義の解説(各20分)がありました。 中村さん御自身も言っておられましたが、後半の解説は不要でしたね。 3時開演、終演は6時過ぎという、とても長い公演でしたから。 後半の解説では「ジェルモン殴ったろか!」「アルフレード阿保ちゃうか!」という発言もあり同感しましたが、僕は「ヴィオレッタも阿保ちゃうか!」と思っており、本当にフラストレーションの溜まるストーリーです。 舞台は下手にピアノの關口康祐さんが譜めくり無しで演奏し、ステージ全体を使ってオペラの聴かせどころが上演されました。 舞台にあるのはソファと机、そして両脇に花柱。 演技、照明の付いた本格的な上演で、最初は「乾杯の歌」から始まりました。 コーラスは10人あまり。 久しぶりに拝見する石橋栄実さんは、可愛いというより美人になっておられました。 中村さんの解説では、石橋さんがヴィオレッタを歌うのは初めてだそうです。 「皆さんは石橋さんがリリックな役からドラマチックな役に変身する歴史的な舞台をご覧になるわけです」という中村さんの解説で、素晴らしい出来だったと思います。 アルフレードの清原邦仁さんも期待どおりの張りのある歌声でした。 ジェルモンの田中 勉さんは声が大きすぎ (^_^ゞ。 反響板のある舞台で、602席の中ホールはよく響くホールかと思いましたが、それにしても、いつもながらの凄い声でした。 演出は唐谷裕子さんという若い方でしたが、年上のキャストに対する演技の付け方や、数少ないコーラスの動かし方など、有能な方かと思いました。 将来の本格的なオペラ演出が楽しみです。 第1幕の最後、「花から花へ」を歌うヴィオレッタの前にアルフレードが現れ、抱き合ってのフィナーレとなったのは驚きました。 第3幕の「娘として抱いて下さい」というヴィオレッタの願いに、田中さんは肩の当たりを触れただけ。 大阪音大の会議で議論などをしていると、舞台で抱き合いにくいのでしょうか? ヴィオレッタの最後の願いにガッシと抱きしめてあげてほしかったですね。 |