オペラの魅力 Vol.25 《イル・トロヴァトーレ》ハイライト 2016年6月21日(火)6:30PM 三井住友海上しらかわホール |
笛田博昭さんが東京へ行ってしまってから、名古屋のドラマティック・テノールの第一人者は加藤利幸さんでしょう。 名も知らぬ新人に最初に仰天したのは、2005年の大須オペラ《サルタンバンク》のアンドレ少尉。 次に驚いたのは2006年7月2日のイタリア声楽コンコルソで金賞を受賞されたとき。 《イル・トロヴァトーレ》は荒唐無稽なストーリーを無視できる境地になれば、美しいメロディーに溢れた素晴らしいオペラです。 特に、加藤利幸さんの「見よ、恐ろしい火を」を聴き逃すことは、どうしても出来ません。 ということで、仕事を抜け出して、しらかわホールに向かいました。 ![]() オペラの魅力 Vol.25 2016年6月21日(火)6:30PM 三井住友海上しらかわホール 構成・演出:岡本茂朗 第1部 ヴェルディ作曲《イル・トロヴァトーレ》ハイライト レオノーラ 杉浦葉奈 マンリーコ 加藤利幸 ルーナ伯爵 岡本茂朗 アズチェーナ 奥野靖子 他 第2部 シェイクスピア没後400年記念ガラコンサート ~オペラにみるシェイクスピア~ グノー作曲《ロメオとジュリエット》より ジュリエット長嶋莉陽子「私は夢に生きたいの」 ロメオ 宮崎智永 「あぁ、太陽よ昇れ」 トマ作曲《ハムレット》より オフェリー 酒井和音「あなた方のお仲間に入れてくださいな」 ヴェルディ作曲《マクベス》より マクベス夫人 崔 利先「さぁ、急いで!冷酷な心を目覚めさせてあげましょう!」 マクダフ 上本訓久 「父の手はお前たちを守ってやれなかった!」 ヴェルディ作曲《ファルスタッフ》より ナンネッタ 児玉弘美「夏のそよ風に乗って」 ヴェルディ作曲《オテッロ》より デズデーモナ 松波千津子「柳の歌~アヴェ・マリア」 イァーゴ 岡本茂朗「イヤーゴの信条」 他 全 員 「地に伏して」 合 唱/エウロ・リリカ合唱団 ピアノ/石山英明、加藤藍子 エウロ・リリカの舞台装置には階段がよく使われますが、本日の階段は舞台から2階席まで登れる高さで幅広。 衣装はその時代のもの。 2台のピアノの伴奏は結構なものでした。 レオノーラの杉浦葉奈さんは名古屋音楽大学を卒業後、イタリアで活動中。 名古屋芸術大学出身者の活躍はめざましいものがありますが、同じ私学でも名古屋音楽大学の方は少ないと思います。 今回が名古屋デビューでしょうか? 加藤利幸さんは期待どおりの出来映えでした。 「見よ、恐ろしい火を」の「ハイC」が僕の胸に突き刺されば、興奮も最高潮です。 今回のハイライトは一時間半かかるという長さで、ほぼ全曲を聴いたという感じです。 他のキャストも皆さん素晴らしい歌唱で、6月18日のスポレート歌劇場《ラ・ボエーム》より、ずっとワクワクして聴かせていただきました。 まあ、愛知県芸術劇場大ホール(2500席)、しらかわホール(693席)というキャパの違い、そしてもちろん演目の違いがありますけれどもね。 後半は「シェイクスピア没後400年記念ガラコンサート」でしたが、会場が真っ暗でプログラムも見えず、誰が何を歌っているか分からない状態。 第一部の《イル・トロヴァトーレ》で十分満足したので、途中で会場を出ました。 |