ユジャ・ワン ピアノリサイタル
2016年9月9日(金)6:45PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 ユジャ・ワン (王羽佳) は1987北京生まれ。
 2001年仙台国際音楽コンクールで3位。
 15歳(2006年からの5年間フィラデルフィアのカーティス音楽学校で学び、ラン・ランの教師でもあっ たゲイリー・グラフマンに師事。

 2011年3月6日に、ユジャ・ワンの初来日(たぶん)公演が電気文化会館でありまして、僕はチラシを見てすぐにチケットを買ったのですが、びわ湖ホールの《アイーダ》とダブルブッキングしてしまいました (^_^; 。
 ユジャ・ワンならすぐに再来日するだろうと思ってびわ湖ホールに行ったのですが、ユジャ・ワンはあっという間に世界の人気者となってしまいました。

 あれから5年半、今回もチケットを素早く手配したのですが、その後同じ日に、五嶋みどりさんが刈谷のホールで広上さんとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏するというチラシを見てしまいました。
 五島さんは世界最高のヴァイオリニストだと思うし、リサイタルはたくさん行ったけれど、協奏曲の実演は聴いたことは無いんです。
 ユジャ・ワンか五嶋みどりか、悩みに悩みました。
 そのうちに五嶋さんはソールドアウトになってしまいました。

 会場に入って驚いたのは、お客さんが思ったより少なかった(8割?)こと。
 刈谷に行った人が多かったのかも知れません。

 ユジャ・ワン ピアノリサイタル
 2016年9月9日(金)6:45PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 スクリャービン: ピアノ・ソナタ第4番 嬰ヘ長調
 シューマン:「クライスレリアーナ」
 ショパン:バラード第1番
 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第29番
         「ハンマークラヴィーア」

 今回の来日では、ユジャ・ワンの希望で曲目がその日まで分からないという状態でしたが、名古屋公演は比較的オーストドックスな曲目が並んでいました。
 話題となる衣装は、前半は深いスリットが入ったドレス、後半はホットパンツ(って言うの?)でした。
 高いヒールは将来背骨の歪みになるのではないかな、と心配になりました。

 圧倒的に素晴らしかったのは、ショパンのバラード第1番。
 僕は田宮二郎&山本陽子が主演した1974年のテレビドラマ『白い滑走路』でこの曲(浅丘ルリ子のテーマ)を聴いて大好きになり、たくさんの演奏を聴いてきました。
 ユジャ・ワンの演奏は最高でしたね。
 煌めくように輝く音がピアノから立ち上がり、すべての音が意味を持って聞こえてきます。
 このような演奏を聴くと、ショパンのアイディア溢れる才能に、改めて驚嘆してしまいます。
 このような演奏を1曲でも聴かせていただけば、五嶋みどりさんを聴き逃した悔しさも少しは治まるというものです。

 ユジャ・ワンのコンサートではアンコールが多いことも話題となっています。
 iPadを譜面台に置き、自分でページを押しながらの演奏です。

1)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番より「トッカータ」
2)ラフマニノフ:「エレジー」
3)カプースチン:トッカティーナ
4)スクリャービン: ピアノ・ソナタ第4番
5)シューベルト:「糸を紡ぐグレートヒェン」
6)モーツァルト(ヴォロドス、サイ編):「トルコ行進曲」

 どの曲も魅力的でしたが、特に1)5)6)が凄かったですね。

 これで9時30分。
 なおもサイン会があるとのことで、楽屋口に並んでみました。
 1997年5月のメトロポリタン歌劇場公演では、この楽屋口で毎回サイン会があり、パヴァロッティ、ドミンゴなどのスターのサインをもらったり、握手をしてもらったりしたものです。