藤原歌劇団 『カルメン』名古屋公演
2017年2月11日(土・祝) 2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

「REVIEW16」に戻る  ホームページへ  『笛田博昭観劇記録』
 

 今回が『笛田博昭観劇記録』54番目のレポートになります。
 僕が笛田さんを初めて聴いたのは2000年3月16日(木)「名古屋芸術大学第22回オペラ公演の《カルメン》」でした。
 第一・二幕のホセ役は中井亮一くん(声4)、第四幕のホセは笛田博昭くん(声3)という、現在の藤原歌劇団の2大プリモのそろい踏みでした。

※この舞台が笛田さん御自身のオペラ初舞台となります。
※この《カルメン》公演では中井さんに思いもかけぬハプニングがありました。
※僕が本当に笛田さんを追っ掛けるようになったのは、2003年12月17日に見た、名古屋芸術大学オペラ公演 《トゥーランドット》からです。

 愛知県芸術劇場大ホールはほぼ満席だったでしょうか。
 笛田博昭さん、伊藤貴之さんの名古屋芸術大学のコンビ、ミカエラの伊藤晴さんは三重大学から武蔵野音大進学へされたという、郷土愛の強い舞台でした。
 指揮の山田和樹さんも、幼稚園の頃から2年間は尾張旭市、2年間は守山区に住んでおられたそうで、山田家のお墓は平和公園にあるそうです (@o@)。


 藤原歌劇団公演『カルメン』
 2017年2月11日(土・祝) 2:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 総監督:折江 忠道
 指揮:山田 和樹
 演出:岩田 達宗
 カルメン:ミリヤーナ・ニコリッチ
 ドン・ホセ:笛田 博昭
 エスカミーリョ:王 立夫(ワン・リーフ)
 ミカエラ:伊藤 晴
 スニガ:伊藤 貴之
 モラレス:押川 浩士
 フラスキータ:平野 雅世
 メルセデス:米谷 朋子
 ダンカイロ:安東 玄人
 レメンダード:狩野 武
 合唱:藤原歌劇団合唱部
 児童合唱:東京少年少女合唱隊
 ダンス:平富恵スペイン舞踊団
 管弦楽:愛知室内オーケストラ

 『笛田博昭観劇記録』を見てみると、僕は笛田さんのホセを今までに、2000年、2004年、2006年、2007年と4回見ています。
 そして、彼の強靭な声が、第1幕、第2幕のリリックなホセには合わないのではないかと思っていました。
 しかし、この日の笛田さんは、ありあまる素材に、コントロールやテクニックを身につけた、ホセらしいホセになっておられ、改めて感心しました。

 カルメンのミリヤーナ・ニコリッチは声にも演技にも芯がなく、主人公としての華を感じませんでした。
 ミカエラの伊藤晴さんは「ミカエラのアリア」など、良かったのではないでしょうか。
 演技はぎこちない? ミカエラはあんなものでしょうか?

 今回の公演のセールスポイントは、「山田和樹さんの初オペラ」でしょう。
 山田さんのオーケストラ公演に感心したことは何度もあります。
 しかし今回の《カルメン》は普通だったような気がします。

 愛知室内オーケストラは2002年に愛知県立芸術大学出身の若手演奏家を中心として発足した、若いプロ(だと思う)のオーケストラ。
 2015年には新田ユリ氏が常任指揮者に就任し、得意とする北欧音楽の響きの探求とともに、室内オーケストラとして、より緻密なアンサンブルの追求にも力を入れている。
 今回の演奏は、力量不足でしょうか。管楽器のミスがあると、ガッカリしてしまいます。
 
 演出の岩田達宗さんは信頼しておりましたが、最近はピンカートンを傷痍軍人にしたり、不必要なアイディアが出てくるのが心配です。
 果たして、今回も不必要なアイディアが見られました。

 第1幕は舞台中央に鉄の格子門がありますが、自由に動き、鍵もかかっていません。
 第4幕に使うのだろうと思っていましたが(これは当たりで常套的)、第1幕に戻りましょう。
 たばこ工場の女工達は舞台の奥からたばこを吸いながら現れます。
 ところが、喧嘩のシーンになると彼らは下手から雪崩れ込んでくるのです。
 さて、たばこ工場はどこにあるのでしょう?

 また、合唱団が多すぎる。
 第3幕なんか、とても窃盗団には見えません。
 ゲルマン民族の大移動とか。
 ただ、これだけの大人数を「水が染み込むように」、自然に動かせる岩田さんの力量には感服してしまいます。

 今春には、笛田さんの舞台を何回か見ることが出来るようです。
 まずは宗次ホール(3/24)と、豊橋の《トロヴァトーレ》(5/6)でしょうか。
 特に《トロヴァトーレ》はオールジャパンキャストで、藤原歌劇団のマンリーコと、二期会のマンリーコの聴き較べです。

 ロビーでキャストのサイン付きポートレート(500円)が売られていましたので買ってみましたが、如何でしょうか?

 終演後にはお見送りがあり、キャストが狭い出口に並んで大渋滞。
 いいことだとは思うけれど、出口を出たロビーの方が広くてはいいのではないしょうか。