広上淳一 & 京都市交響楽団 『想い出いろいろ』 2017年7月17日(月/祝)5:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール |
![]() 京都市交響楽団第8回名古屋公演 2017年7月17日(月/祝)5:00PM 常任指揮者:広上 淳一 ヴァイオリン:ピンカス・ズーカーマン チェロ:アマンダ・フォーサイス ブラームス:大学祝典序曲 ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 あれは1983年の秋、我がオケは名フィル副指揮者に就任された広上 淳一さんに、音楽教室の指揮者をお願いしたのでした。 曲は『アルルの女・第2組曲』などでした。 僕は帰りが同方向だったので、車でお送りして、ファミレスでよくお話しさせていただいたものです。 将来プロの音楽家として生活していけるのかを心配しておられたのが印象的でした。 ピンカス・ズーカーマンを聴いたのは1973年4月4日(水)に東京芸術劇場で行われたNHK交響楽団定期演奏会。 バレンボイム、ズーカーマン、デュ・プレによるベートーヴェンの三重協奏曲が予定されているというので当日券に並んでみました。 デュ・プレが1971年頃から多発性硬化症で体調不良という話は聞いていましたので、この機会を逃しては‥‥ということですね。 結局彼女はキャンセルして、代わりにズーカーマンによるメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」が演奏されました。 後半はバレンボイム指揮のチャイコフスキー「交響曲第4番」でしたが、序奏の部分を聞いて「この若手ピアニストは将来大物指揮者になる」と確信したものです。 一方のズーカーマンは記憶に残っていません。 44年ぶりに聴くズーカーマンは、実に美しい音でした。 しかし、ブラームスらしい情熱は感じにくかったでしょうか。 アマンダ・フォーサイスは南アフリカ生まれで、カナダへ移住。 3歳でチェロを始め、ロンドンでウィリアム・プリーズに師事。 その後ジュリアード音楽院でハーヴィー・シャピロのもと研鑽を積んだ。 なかなか情熱的な演奏をするチェリストかと思いました。 広上さん指揮する京響は、実にレベルの高いオーケストラでした。 10人以上の弦パートが一本の線になって聞こえ、どのような練習をすればこのような演奏が出来るのか不思議でした。 「ブラ3」はもう少し「熱狂」してほしかったですね。 1986年10月25日(愛知県勤労会館大ホール)、僕はアマオケのエキストラで演奏会に参加させていただきました。 指揮は山岡重信先生で、メインは「ブラ3」でした。 そして、僕は山岡先生の指揮によって、「ブラ3」の大ファンになってしまいました。 この演奏は僕の心の中で年を経るに従いますます神聖化され、「どんな演奏を聴いても、山岡先生には敵わない」という困った状態になっています。 ヴィースバーデンの「ブラ3作曲の家」にも行ったことがあります。 交響曲第3番は、ブラームスの4つの交響曲の中では、圧倒的に難しい曲でした。 しかし、このコンサートの本当のメインは、リヒァルト・シュトラウスの「ドン・ファン」。 「ドン・ファン」はアマオケが演奏できるような曲では無く、CDを聴きながらスコアやパート譜を見ても、どこを演奏しているかさえ分からない難曲。 そのため難しいはずの「ブラ3」が簡単に思えてしまいました。 最初の指揮者来団では、「ブラ3」の練習では揃っていたメンバーが、「ドン・ファン」になると逃散したのがおかしかったですね。 僕ももちろん逃散しました。 しかしこの曲には、ホルンによるドン・ファンの主題や、中間部のオーボエソロなど、陶酔的に美しい部分が多く、この曲も大好きになってしまいました。 本番当日は遅刻してくるメンバーもあり、練習・本番合わせて、「ドン・ファン」4回、「ブラ3」3回を演奏することになり、これほど幸せな日はありませんでした。 ガルミッシュにあるリヒァルト・シュトラウスの家と、お墓にリンクしておきましょう。 |