名古屋フィルハーモニー交響楽団第457回定期演奏会
〈バイロン『マンフレッド』〉
2018年5月19日(土)4:00PM 日本特殊陶業市民会館

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 僕はユベール・スダーンの「ブルックナー8番」をテレビで聴いて感心し、2013 年11月3日にミューザ川崎シンフォニーホールまで遠征したのでした。
 そのスダーンが名フィルを振ってくれる(14シーズンぶりだそうです)とは何と嬉 しいことでしょう。

名古屋フィルハーモニー交響楽団第457回定期演奏会
〈バイロン『マンフレッド』〉
 2018年5月19日(土)4:00PM
 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

 指 揮:ユベール・スダーン
  ホルン:アレッシオ・アレグリーニ

 モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調
 モーツァルト:歌劇《皇帝ティートの慈悲》序曲
 モーツァルト:ホルン協奏曲第4番変ホ長調
 チャイコフスキー:マンフレッド交響曲

 前半はアレッシオ・アレグリーニによるモーツァルト《ホルン協奏曲》2曲と序曲。
 アレグリーニは1972年生まれ、イタリアのホルン奏者。
 1997年プラハの春国際音楽コンクール優勝、1999年ミュンヘン国際音楽コン クール最高位(1位なし、2位)。
 ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を8年間務めた後、ベルリン ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演奏者として1年間活動した。
 現在、聖チェチーリア音楽院管弦楽団首席奏者を務める一方、ルツェルン祝祭管弦楽 団の首席奏者としても活動している。

 アレグリーニのホルンはドイツの森を思わせる深い音色で(イタリア人なのに)、悪 い意味では無く「古色蒼然」という言葉を思い出しました。
 ソロアンコールはロッシーニ[ヘルマン・バウマン,アレッシオ・アレグリーニ編] の《ランデヴー(狩のファンファーレ)》という曲で、これは面白かった。
 360度回って演奏するのですが、方向によって音が変わってくるんです。

 ユベール・スダーンは1946年、オランダ・マースリヒトの生まれ。
 ブザンソン国際コンクール優勝。
 メルボルン交響楽団首席客演指揮者、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団、 ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者、東京交響楽団音楽監督などを 歴任。
 現在、東京交響楽団の桂冠指揮者を務めている。

 期待のスダーンですが、曲目が『マンフレッド交響曲』とは‥‥。
 しかし、これはスダーンの希望なのだそうです。
 この曲は2012年3月に山田和樹 & 名フィルで聴いて、演奏に感心した記憶はあるのですが、曲は覚えていない。
 CDを聴いて予習しました。

 バイロンの劇詩『マンフレッド』は、人間でありながら、神ほどの万能感を獲得した マンフレッドが、恋人を失い、アルプス山脈を彷徨って死ぬ、というストーリーらしい。
 チャイコフスキーの曲は幻想交響曲に似た形式で、第3、4楽章は聴きやすい曲かと思いました。

 チャイコフスキーは1885年2月、クリン近くのマイダノボに移転。
 同年9月『マンフレッド交響曲』完成。(45歳)
 1888年『交響曲第5番』、1889年『眠れる森の美女』、1890年『スペード の女王』、1892年『くるみ割り人形』。
 1892年、クリンに転居。

 スダーン指揮する名フィルの演奏は期待どおりのものでしたが、団員からのスダーン に対する拍手が盛大だったことが印象的でした。
 次の機会にはブルックナーやシューベルトを聴かせていただきたいものです。