名古屋市芸術祭2018 《ランスへの旅》
2018年10月27日(土)2:00PM 名古屋市芸術創造センター

「REVIEW18」に戻る  ホームページへ
 
 
 《ランスへの旅》という名古屋にしては珍しいオペラが上演されたので、見に行ってきました。
 プログラムによると、2017年に名古屋市とフランス・ランス市は姉妹友好都市を提携したのだそうです。

 僕は藤原歌劇団(2006年10月21日)いずみホール・オペラ(2008年5月10日)とこのオペラを2回見ているようですが、あまり記憶がない。
 新国王シャルル10世がランス大聖堂であげる戴冠式を見るため、フランス東部の温泉地プロンビエールの温泉付き保養旅館『黄金の百合館』に集まった紳士淑女のドタバタ劇、という予備知識だけで、会場に向かいました。

 名古屋市芸術祭2018  《ランスへの旅》
 2018年10月27日(土)2:00PM
 名古屋市芸術創造センター

 指揮:柴田 祥
 演出監修:田尾下 哲
 演出:青木真緒

   コリンナ:酒井和音
   メリベーア侯爵夫人:石原まりあ
   フォルヴィル伯爵夫人:奥村育子
   コルテーゼ夫人:つじ村ふみ恵
   騎士ベルフィオール:中井亮一
   リーベンスコフ伯爵:宮崎智永
   シドニー卿:伊藤貴之
   ドン・プロフォンド:近野賢一
   トロンボノク男爵:森口 賢二
   ドン・アルバロ:林隆史
   ドン・プルデンツィオ:松下雅人
   ドン・ルイジーノ:北田一平
   デリア:福井友香
   マッダレーナ:加藤愛
   モデスティーナ:守屋貴美子
   ゼフィリーノ:基村一輝
   アントーニオ:岸豊大
   ジェルソミーノ:北田一平

   フィルハーモニカー・ウィーン・名古屋
   「ランスへの旅」合唱団、

 まず驚いたのがロッシーニの音楽の美しさ、一人一人の出番の少なさ、アリアの長大さ、コロラトゥーラの難しさ。
 総勢18役のソリスト全員に超絶技巧が要求されているそうです。
 
 騎士ベルフィオール役の中井亮一さんは、07年8月に本場ペーザロ市のロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル(音楽監督:A.ゼッダ)にベルフィオーレ役として出演された、日本におけるロッシーニの第一人者です。

 しかし中井さんだけで無く、地元の多くのメンバーにも立派な歌唱を聴かせていただけたのは、予想を上回る大きな驚きでした。
 リーベンスコフ伯爵役の宮崎智永さんは、ハイCを19回歌われたそうです。
 ちなみに、ドニゼッティ《連隊の娘》は9回、《トゥーランドット》は2回だそうです。

 今回のオペラ上演は、名古屋音楽大学卒業生を中心に結成し“オペラをもっと身近なものに”をモットーに活動しているオペラ団体である「稲葉地オペラ振興会」と、1996年から精力的にオペラ活動を続けている「エウロ・リリカ」の皆さんの協力で上演が実現したものだそうです。

 指揮は「稲葉地オペラ振興会」代表の柴田 祥さん。
 軽やかなロッシーニに相応しい演奏かと思いました。

 舞台装置は多くの折りたたみ椅子。
 この椅子の並べ方でそれぞれの場面を構成していきます。
 演出の青木真緒さんは演出家田尾下哲さんの演出助手をしておられる方のようですが、大変才能のある方だと思いました。