藤原歌劇団・日本オペラ協会 東海支部発足記念
オペラの饗宴
2019年1月29日(火)6:30PM 御園座

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 プログラムによれば
 主催の日本オペラ振興会は、西洋オペラを上演する〈藤原歌劇団〉と、日本のオペラを創作・上演する〈日本オペラ協会〉の2つの看板の下、多くのお客さまにオペラを鑑賞して頂くことを目指しています。
 藤原歌劇団は、昭和9年(1934年)に《ラ・ボエーム》の日本初演を出発点に産声をあげ、それ以来85年、我が国で最も歴史のあるオペラ団体です。

 日本オペラ協会は昭和33年(1958年)に設立。
 能や歌舞伎など伝統芸能・文学を元に、日本作品のオリジナル化、日本語による日本人のための日本語唱法に慣熟を傾けています。

 1981年(昭和56年)藤原歌劇団と日本オペラ協会が合併統合し、財団法人日本オペラ振興会が設立されました。

 東海支部長の牧野正人さんの挨拶によれば、東海支部発足の話が持ち上がり、「東海」ならば牧野さんの故郷・浜松も入るだろうという話をしたところ、愛知県、静岡県西部、三重県、岐阜県を含む、初の複数県から成る大きな地方支部となりました。
 東海地方出身者・在住者・大学出身者で構成され、本公演で舞台に立つベテランから将来オペラ界を背負って立つ新人が集まり、豪華なコンサートを開催する運びとなりましたことを、心より嬉しく思います、とのことでした。

 藤原歌劇団・日本オペラ協会 東海支部発足記念
 オペラの饗宴
 2019年1月29日(火)6:30PM 御園座

 ピアノ:藤原藍子

 《第1部》
 1)ヴェルディ「ファルスタッフ」第2幕より“夢か?まことか?”:竹内利樹(浜松市出身)

 2)グノー「ファウスト」第3幕よりクプレ“彼女に告げておくれ’〈花の歌〉:相羽 薫(愛知県出身)

 3)プッチーニ「つばめ」第1幕より“誰がドレッタの夢を当てられたでしょう”〈ドレッタの夢〉:原田 恵(愛知県出身)

 4)プッチーニ「蝶々夫人」第2幕より“ある晴れた日に”:長瀬千賀子(浜松市出身)

 5)ドニゼッティ「連隊の娘」第1幕よりカヴァティーヌ“ああ友よ、何と楽しい日!”山本康寛(愛知県出身)

 6)ヴェルディ「エルナーニ」第1部よりカヴァティーナ“エルナーニ、私を連れて逃げて:崔 利先(名古屋芸術大学)

 7)ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」第1部より“ある日青空を眺めて”:村上達哉(浜松市出身)

 8)ヴェルディ「シモン・ポッカネグラ」プロローグより“父の悲しい胸の内は”:伊藤貴之(愛知県出身)

 9)グノー「ロミオとジュリエット」より “私は夢に生きたい”:坂口裕子(愛知県立芸大)

10)ヴェルディ「運命の力」第3幕よりロマンツア“おお、天使の胸に抱かれている君よ”:笛田博昭(名芸大)

 御園座は歌舞伎劇場なので、最初は声もピアノも不思議な音に聞こえました。
 初めて聴く方では長瀬千賀子さんの“ある晴れた日に”と、村上達哉さんの“ある日青空を眺めて”がオペラらしくて気に入りました。
 坂口裕子さんは3月に日本オペラ協会の「静と義経」に主演されるそうです。

 《第2部》
 ヴェルディ オペラ「ラ・トラヴイアータ」より
 1“不思議だわ!~ああ、そは彼の人か~花から花ペ”(ヴィオレツタ)
 2“燃える心を”(アルフレード)
 3“あなたがヴァレリーさんですか?”(ヴイオレツタ&ジェルモン)
 4“プロヴァンスの海と陸”(ジェルモン)
 5 第3幕(ほぼ全曲)

 指揮:田中祐子(愛知県出身)
 ヴィオレッタ:伊藤晴(三重県出身)
 アルフレード:中井亮一(名古屋市在住)
 ジェルモン:牧野正人(浜松市出身)
 医師グランヴィル:伊藤貴之(愛知県出身)
 アンニーナ:安藤ゆかり(愛知県出身)
 ピアノ:藤原藍子
 セントラル愛知交響楽団弦楽セクション

 第2部は1週間前に東京公演に出演したメンバーによる「ラ・トラヴイアータ」でした。
 舞台の右半分に1プルットの弦楽アンサンブルとピアノ。
 左半分に簡単な小道具がセッティングされていました。

 ヴィオレッタの伊藤晴さんが、歌も演技も素晴らしかった。
 僕は《ラ・トラヴイアータ》は苦手なオペラですが、昨年10月14日に藤沢で聴いた中村 恵理さんと共に、良いヴィオレッタを聴く機会に恵まれました。

 牧野さんが挨拶で「せっかくの御園座なので、一生一度は花道を通ってみたい」と言っておられましたが、出演人物は花道から現れ、スポットライトが当てられました。

 終演は9時30分頃と遅くなり、売店では観劇弁当が半額で売られていました。