名古屋フィルハーモニー交響楽団 第465回定期演奏会 〈レム『ソラリス』/日本音楽財団ストラディヴァリウス・シリーズ5 「ドラゴネッティ」〉 2019年2月23日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール |
![]() 名古屋フィルハーモニー交響楽団 第465回定期演奏会 〈レム『ソラリス』/日本音楽財団ストラディヴァリウス・シリーズ5「ドラゴネッティ」〉 2019年2月23日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール 指 揮:アントニ・ヴィット ヴァイオリン:ヴェロニカ・エーベルレ 藤倉大:『ソラリス』組曲[日本初演] ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調 チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 集客が難しそうなプログラムにかかわらず、会場に人が多くてビックリ。 当日券は売り切れたそうです。 まあ動員はされているようで、僕の周り(3階最後列)は女子高生に囲まれていましたし、先生(?)に引率された小学生のグループもいました。 この人数にしては空調の効きが悪くて、空気が淀んで、息苦しかったですね。 アントニ・ヴィットは1944年クラクフ生まれの75歳。 1967年クラクフ国立音楽院指揮科を卒業。 1971年にカラヤン・コンクール最高位入賞を果たし、カラヤンのアシスタントを務める。 2001~13年にはワルシャワ国立フィルの総監督・芸術監督を努める。 現在は、スペインのナバラ交響楽団音楽監督 2006年1月25日には、ショパンコンクールの指揮者として”入賞者による記念コンサート”でブレハッチなどと共演しています。 2016年10月21日には、名フィル第439回定期演奏会を指揮しています。 藤倉大さんの『ソラリス』組曲[日本初演]はスタニスワフ・レムの小説をオペラ化した作品のオーケストラ部分を組曲としたものだそうです。 特殊奏法を多用した現代音楽で、僕は苦手ですが、不安な感じが映画のBGMには良いのではないかと思いました。 ヴェロニカ・エーベルレは南ドイツのドナウヴェルトに生まれ、6歳でヴァイオリンを始めた。 ミュンヘンのリヒャルト・シュトラウス音楽院のジュニア・クラスからミュンヘン音楽大学に入学し、2001年から2012年までアナ・チュマチェンコのもとで研鑽を積んだ。 ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は大好きで、楽しみにしていました。 ヴェロニカ・エーベルレは優秀なヴァイオリニストを輩出しているチュマチェンコ門下ということですが、音量に乏しいという印象。 一生懸命弾いている姿は見えるんですが‥‥まあ、僕の席は3階の一番後ろだし、満席で音が吸収されたのかも知れません。 ソロアンコールは、プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 作品115より第2楽章「主題と変奏」。 使用楽器は日本音楽財団から貸与されたストラディヴァリウス「ドラゴネッティ」(1700年製)。 会場で日本音楽財団が所有する楽器の写真集が配られていました。 有名な楽器には持ち主が書かれていて、ドラゴネッティはフランク・ペーター・ツィンマーマン。 ジュピターは五嶋みどりから樫本大進。 ドルフィンはハイフェッツが愛用していたそうですが、現在の持ち主が書かれていないのには、ちょっと笑いました。 週刊誌で話題になった財団の騒動は収まったのでしょうか? 僕は前半のプログラムに興味があったので、ここで帰ろうかと思いました。 チャイコフスキーの交響曲第5番は何度も聴いたり、自分で演奏したことがありますが、ちょっと人工的な曲かと思っています。 しかし、安土(アンヅチ)さんの第2楽章のホルンソロは聴いておかなくては、と考え直しました。 しかし、これは素晴らしい演奏でした。 ヴィッツは譜面台なしで指揮し、静かな部分ではアンサンブルを重要視し、速い部分ではオーケストラをとことん煽ります。 それに付いていく名フィルも大したものだと思いました。 安土さんだけでなく、全てのパートが力を出し切り、このような演奏を名フィルから引き出すヴィッツの指揮力には感嘆しました。 |