愛知祝祭管弦楽団「ワーグナー・ガラス」 指揮:三澤 洋史
2021年8月15日(日)3:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 今日は終戦記念日、九州から中国地方で大雨、洪水、そしてコロナのまっただ中、愛知祝祭管弦楽団ワーグナーガラが開かれました。
 コロナの関係で客席は半分になっていましたが、周知期間が短く、僕の3階は20人でした。
 
 2016年から2019年まで《ニーベルングの指環》全曲を演奏した愛知祝祭管弦楽団。
 びわ湖ホールの演目に倣えば、昨年(2020年)は《ローエングリン》だったのですが、コロナのために中止。
 今年のプログラムとなりました。

 愛知祝祭管弦楽団「ワーグナー・ガラスペシャル」
 2021年8月15日(日)3:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール   

 前半の前に『ワーグナーが描く「愛欲」を巡って』、後半の前に『聖杯伝説』という指揮の三澤洋史さんによるとレクチュアがありました。
 これは内容不明で、僕にとっては難解なものでした。

 第1部:『ワーグナーが描く「愛欲」を巡って』(約90分)

 歌劇《タンホイザー》より
 序曲
 第2幕 前奏曲とエリーザベトのアリア「この清き殿堂」
 第3幕 アリア「夕星の歌」
      「ローマ語り」から終幕まで

 エリーザベト/ヴェーヌス:池田香織
 ヴォルフラム:初鹿野剛
 タンホイザー:菅野敦
 ヴォルフラム:初鹿野剛
 合唱

 2010年10月23日に開かれたウィーン国立歌劇場イワン・ホーレンダー・フェアウェル・ガラ。
 ドミンゴやネトレプコなども煌めくスタースター達が出演したコンサートででヨハン・ボタの「ローマ語り」は圧倒的に素晴らしかった。
 あの肥満体のボタが痩せてしまって亡くなってしまうとは、世界の宝の喪失です。

 本日に聴いたタンホイザー(菅野敦)は、部分的におかしなところがありました。
 池田香織さんは日本のワーグナーソプラノ第一人者
 飯守泰次郎さんによる 関西フィルワーグナーガラ2021年1月23日にも出演されていました。

 楽劇《トリスタンとイゾルデ》より
 前奏曲
 第2幕「おお降りてこい甘美な夜のとばりよ」
 終幕「イゾルデの愛の死」

 トリスタン:菅野敦
 イゾルデ:池田香織
 ブランゲーネ:三輪陽子
 クルヴェナール:初鹿野剛

 第2部:聖杯伝説(約90分)

 歌劇《ローエングリン》より
 前奏曲
 第1幕「ローエングリン登場の挨拶」
 第2幕「エルザへの奸計」
 第3幕 前奏曲と結婚行進曲
      アリア「ローエングリンの素性」と終幕

 ローエングリン:大久保亮
 エルザ:池田香織
 オルトルート:三輪陽子
 フリードリヒ:初鹿野剛

 舞台神聖祝典劇《パルジファル》より
 第1幕 「神殿への転換音楽」
 第2幕「クンドリの誘惑」とパルジファルの覚醒
 第3幕
 終幕

 パルジファル:大久保亮
 グルネマンツ:初鹿野剛
 クンドリ:三輪陽子
 クリングゾル:初鹿野剛
 合唱

 今回のコンサートでは《ローエングリン2幕》《パルジファル2.3幕》など、めったに演奏されない曲が多かった。
 これでこそ愛知祝祭管弦楽団です。
 特に『「クンドリの誘惑」とパルジファルの覚醒』は退屈で、普段なら聞き飛ばしてしまうところです。

 僕が《パルジファル》を初めて聴いたのは旅行日程の関係で、1980年8月16日(土)。
 指揮はホルスト・シュタイン、演出はヴォルフガング・ワーグナーのバイロイト歌劇場でした。
 パルジファルとグルネマンツが舞台の奥に並んで進み、照明が暗くなり、鐘が鳴り始め、これこそワーグナーの深遠な世界だと思いました。

 三澤さんの指揮は早めのあっさりしたもので、これでは物足りない。
 2006年1月22日(日)に聴いた飯守泰次郎さんと基村昌代さんによる『愛の死』は息が苦しくなるはどの濃厚な音楽でした。
 基村さん?
 愛知祝祭管弦楽団といえば基村昌代さんかと思っていたけれど、どうしたのかな?