《伯爵令嬢マリツァ》
 2022年2月19日(土)4:00PM アートピアホール

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 楽員がコロナに感染したとかで、名フィル2月定期演奏会は中止です。
 北京冬季オリンピックは明日で閉会、ロシアがウクライナに侵攻しようという世界情勢。

 名古屋では毎年この時期に、名古屋市文化事業団の主催で、オペレッタやミュージカルが上演されます。
 広告不足で見逃すことが多いのですが、今年の演目はエメリッヒ・カールマン(1882ー1953 ハンガリー出身のオーストリアの作曲家)のオペレッタ《伯爵令嬢マリツァ》。
 このオペレッタは2007年2月9日に、同じ名古屋市文化事業団の公演で見たことがあります。

 《伯爵令嬢マリツァ》
 2022年2月19日(土)4:00PM
 アートピアホール

 指揮:井崎正浩  演出:江川智美

    伯爵令嬢マリツァ:飯田みち代
      タシロ伯爵:安 賜勲
   タシロの妹リーザ:鬼頭 愛
  男爵コロマン・ジュパン:岩田 健
      マーニャ:蒲 加根美

  管弦楽:セントラル愛知交響楽団

『ストーリー』
 伯爵令嬢マリツァは管理人のタシロの歌声を聞き、彼に恋をするが、二人は身分違い。
 実はタシロは没落貴族であり、伯母のグッデンシュタイン侯爵夫人に失った財産を取り戻してもらい、マリツァと結ばれる。

 カールマンの代表作『チャールダーシュ侯爵夫人: Die Csárdásfürstin』、は1915年11月17日、ウィーンのヨハン・シュトラウス劇場で初演されました。
 『伯爵令嬢マリツァ』( Gräfin Mariza)は、1924年2月28日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました。
 「Gräfin」を辞書で引くと「伯爵夫人」となっており、「伯爵令嬢」はありません。
 「伯爵夫人」と「伯爵令嬢」の関係はどうなっているのだろう?

 日本語上演の常として、歌詞は95%は聞き取れませんでしたが、セリフは聞き取れて、ストーリーを追うことに不都合はありませんでした。

 歌手はオーディション。
 飯田みち代さんがオーディションを受けたとは思わないけれど。

 演出の恵川智美さんは武蔵野音楽大学講師、日本オペラ振興会講師。
 舞台は具象的なものでしたが、登場人物が合唱の隅々まで生き生きとしている。

 2月5日に見た《イル・トロヴァトーレ》のように突っ立ったままの人がいない。
 粟國 淳さんクラスになると、アイディアだけ出して、あとは助手任せになるのだろうか?

 井崎正浩さんはハンガリーで活躍する指揮者。
 ハンガリーで上演される舞台をそのまま名古屋で再現して下さいました。
 すごく説得力がありました。

 カンカン(振り付け:松村一葉)、ジプシーバンドも付いて、長い時間を掛けたアマチュアの上演はプロ以上の結果を出すものだと思いました。

 ストーリー的には身分が高いものが身分を見下す場面がイヤでした。
 「ジプシー」という言葉が多く出てきましたが、「ジプシー」は禁止用語なのではないかな?