愛知室内オーケストラ 第55回A定期演奏会
指 揮:沼尻 竜典 ピアノ:阪田 知樹 ソプラノ:伊藤 晴
2023年5月20日2:00PM 三井住友海上しらかわホール
 
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 愛知室内オーケストラ 第55回A定期演奏会
 2023年5月20日2:00PM
 三井住友海上しらかわホール

 指 揮:沼尻 竜典
 ピアノ:阪田 知樹
 ソプラノ:伊藤 晴
 客員コンサートマスター:執行 恒宏

 オール・ラヴェル・プログラム
 ・組曲《クープランの墓》(管弦楽版)
 ・ピアノ協奏曲ト長調
 ・歌曲集《シェエラザード》
 ・バレエ音楽《マ・メール・ロワ》(全曲)

 愛知室内オーケストラ、本日の指揮者はびわ湖ホールで毎年ワーグナーを聴かせていただいた沼尻竜典さん。
 今回はオール・ラヴェル・プログラムと方向転換です。
 僕はラヴェルの「ピアノ協奏曲」、《マ・メール・ロワ》が大好きで(一番好きなのは《亡き王女のためのパヴァーヌ》ですが)、今回の演奏会は大いに期待していました。
 客員コンサートマスターの執行恒宏(TSUNEHIRO SHIGYO)さんは、パシフィックフィルハーモニア東京(旧東京ニューシティ管弦楽団)コンサートマスター。

 本日のソリストは名古屋出身の阪田 知樹さん、三重県桑名市生まれ、三重大学卒業の伊藤晴さん。
 5月13日のセントラル愛知交響楽団の角田鋼亮さん、島田真千子さん、石川祐支さんと、最近この地方出身の若い音楽家の活躍が目立ちます。
 ちょっとマニアックなプログラムかと思ったのですが、会場は満席でした。

 今広島ではG7サミットが開催されており、本日ウクライナのゼレンスキー大統領が急遽来日したそうです。

 《クープランの墓》はオーボエの凄い難所があって、客演オーボエの岡北斗さんは愛知県立芸術大学卒業。
 東京藝術大学大学院修士課程修了。その後ベルリンへ留学。
 2022年8月より新日本フィル 首席オーボエ奏者。

 ピアノの阪田知樹さんには巨匠の趣を感じます。
 手首から先だけで、難なくこの曲をこなしていくという感じで、圧倒されました。
 2021年7月11日に聴いた中部フィルで、阪田さんの『皇帝』にも「豪壮」「華麗」という印象を持ったものです。

 今朝のTV「エンター・ザ・ミュージック」は角野隼斗さんのピアノ、藤岡幸夫さんの指揮で、ラヴェルのピアノ協奏曲が演奏されていました。

 歌曲集《シェエラザード》は伊藤さんのキラキラ輝く銀色のドレスが印象に残っていますが、曲は全く分かりませんでした。
 伊藤さんには7月の《ラ・ボエーム》を期待しましょう。

 『マ・メール・ロワ』を最初に聴いたのは1982年5月20日(木)。
 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮のロスアンゼルス・フィルハーモニックで、余りの美しさにしばし立ち上がることが出来ませんでした。
 「妖精の庭」のフィナーレ、指揮棒が上に上がって音楽が止まり、そしてオーケストラが解放されてホルンが聞こえ始める部分は、美しさの極みです。

 本日の『マ・メール・ロワ』は珍しい全曲演奏でした。
 沼尻さんの創り出す音楽は素晴らしかった。
 阪田さんの「ピアノ協奏曲」もあり、本当にゴージャスな演奏会でした。