パレルモ・マッシモ劇場 《ラ・ボエーム》 アンジェラ・ゲオルギュー
2023年6月24日(土)5:00PM 愛知県芸術劇場大ホール
 
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 パレルモ・マッシモ劇場 《ラ・ボエーム》
 2023年6月24日(土)5:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

 指揮:フランチェスコ・イヴァン・チャンパ
 演出:マリオ・ポンティッジャ

 ミミ:アンジェラ・ゲオルギュー
 ロドルフォ:ダヴィデ・トゥスカーノ
 ムゼッタ:ジェシカ・ヌッチョ
 マルチェッロ:フランチェスコ・ヴルタッジョ

 パレルモ・マッシモ劇場管弦楽団・合唱団
 名古屋少年少女合唱団

 イタリアの田舎オペラハウスの公演かと聴きに行ったのですが、なかなかの出来に感心しました。
 まずはフランチェスコ・イヴァン・チャンパ指揮するパレルモ・マッシモ劇場管弦楽団。
 指揮とオーケストラが舞台に寄り沿って揺れ動き、時々浮かび上がる管楽器のソロが美しい。
 今更こんなことを言うのもお恥ずかしいが、「これが本場のベテランオペラ指揮者なんだ、本場のオペラ専門オーケストラなんだ」という感慨を持ちました。

 舞台装置は簡素ながら正統的なもの。
 安心してオペラを楽しめます。
 第1幕でロドルフォの蝋燭が消えても舞台が暗くならかったことには驚きましたが、この方が演技が見やすかったでしょうか。
 第2幕のコーラスは強力でしたが、立ったままで動きがないのは残念でした。

 今回の公演のセールスポイントはアンジェラ・ゲオルギューのミミ。
 1965年9月7日、ルーマニアのアジュド生まれ。
 ということは58歳でしょうか。
 僕は2005年11月16日にリサイタルを聴いているようですが、全く覚えていません。

 本日のゲオルギューは胸声がちょっとドスが効いた感じでしたが、役作りはバッチリ。
 僕としては美人ソプラノとして一世を風靡したゲオルギューのお姿を見せていただき、ミミを聴かせていただいただけでありがたかった。
 余り最近、話題を聞きませんでしたから。

 ロビーで自叙伝が売られていました。
 1冊購入したのですが、なんと5500円(定価5000円)。
 値段を聞いてキャンセルしようかと思ったのですが、ゲオルギューのサイン付きということで手を打ちました。
 アラーニャとの不倫、結婚生活、離婚なども詳しく書かれていました。
 今は3人目の御主人と幸せに暮らしているそうです。

 当初、「ロドルフォ役アゼル・ザダは自身の事情により来日できなくなり、同役はイヴァン・マグリが交代します」、との予告が出ていたのですが、当日会場に行ったら掲示があり、「イヴァン・マグリは健康上の理由により、代わりにダヴィデ・トゥスカーノが出演します」という掲示がありました。
 第3テノールかとがっかりしたのですが、このロドルフォが良かった。
 かっちりとした声で、ハイCもバッチリ決めて、『小沢塾』のへっぽこテノールとは大違いです。
 マルチェッロ、ムゼッタ、その他のキャストも好演で、予想以上の満足感を得ることが出来ました。 

 《ラ・ボエーム》が作曲されたトッレ・デル・ラーゴの別荘はこちら。

 イヴァン・マグリは6月21日(浜松)、22日(びわ湖)もキャンセルしたそうで、代わりに歌ったのが笛田博昭さん。
 20日の夜にオファーを受けたそうで、ゲネプロ無しの本番だったそうです。
 愛知県芸術劇場大ホールのキャスト交代の掲示を見たとき「だったら笛田博昭さんに変われば良かったのに」と思ったのですが、実際にそうなっていたとはね。