名古屋テアトロ管弦楽団/合唱団 第5回公演
G.プッチーニ「ラ・ボエーム」 コンサート形式
2023年7月16日(日)2:00PM ​東海市芸術劇場 大ホール​
 
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 名古屋テアトロ管弦楽団/合唱団 第5回公演
 G.プッチーニ「ラ・ボエーム」 コンサート形式
 2023年7月16日(日)2:00PM
​ 東海市芸術劇場 大ホール​

 指 揮 :辻 博之
 舞台監督:磯田有香

 ミミ:伊藤 晴
 ロドルフォ:宮崎智永
 ムゼッタ:宇多村仁美
 マルチェッロ:増原英也
 ショナール:森 寿美​
 コッリーネ:林 隆史
 ベノア/アルチンドロ:初鹿野 剛
 パルピニョール:大久保 亮

 管弦楽:名古屋テアトロ管弦楽団
 合 唱:名古屋テアトロ合唱団
 子どもたち:東海児童合唱団

 昨年まで指揮をしていた佐藤正浩さんが新国立劇場「オペラ研修所」の所長に就任され、辻博之さんに指揮者が交代となりました。
 辻博之さんは東京芸大声楽科卒。
 在学中から佐藤正浩さんらのアシスタントを務め、声楽、作曲、ピアノ、指揮と様々な分野で活躍。
 愛知芸術大学講師。

 辻博之さんの指揮を聴くのは初めてですが、オペラに慣れた感じで、大変気に入りました。
 
 キャストでまず注目するのは藤原歌劇団のプリマドンナ伊藤晴さん(三重県出身)でしょう。
 しかし、声に細かいビブラートが付いて、安定しない感じ。
 第4幕は良かったんですけどね。

 ロドルフォの宮崎智永さん(愛知県出身)はこの団体の創設時からのメンバー。
 少し細めの声かと思いましたが、聴かせるところはしっかり頑張っていただきました。
 第1幕のフィナーレなどハイCを目一杯伸ばしていただきまして、こういうところがオペラを聴く醍醐味ですね。

 マルチェッロの増原英也さん(名古屋市出身)は一番声量があり、立派なマルチェッロでした。
 《レ・ミゼラブル》の司教様ですか。

 ムゼッタの宇多村仁美さん(愛知県立芸大卒)も良かった。
 スカートを上げるところは、指揮台に足をかけていました。
 群衆は舞台奥の階段にいるので、スカートの中をのぞくことが出来たのはいたのはアルチンドロだけでした。

 他の男声キャストも好演。
 コーラスも強力で、第2幕だけではもったいない感じ。
 服装は当時の普段着で、三河市民オペラ《アンドレア・シェニエ》に較べると、大分安く済んでいる感じ。

 また、バルコニー席で歌った東海児童合唱団が子供らしく元気いっぱい。
 母親たちは舞台にいるんですけれどね。
 このように分かれて聴くと、けっこう子供たちが歌う部分が多いことが分かりました。

 コンサート形式ということで、舞台は奥に4段(?)の階段があるだけで、大道具も小道具も無し。
 ミミのロウソクも無ければ、鍵も落とさない。
 その分演技(ジェスチャー)が多かったけれど、これだけ頑張っていただければ特に不満はありません。

 残念だったのは最終場面。
 「死の和音」とともにミミは譜面台に突っ伏します(死んだわけですね)。
 で、ショナールが「ミミが息をしていない」ことに気が付くわけですが、2人の距離が離れすぎ。
 字幕が出ているのですが、誰が誰に向かって何を言っているのか分からない状態で、混乱した人も多かったでしょう。
 ショナールがミミに近づくことは出来ないのでしょうか?

 プログラムの団長「ごあいさつ」には「熱い演奏には躊躇せず、熱い拍手とブラボーをお願いいたします!」と書かれているのですが、客席がどうも怪しい。
 僕は目立つことは嫌いですが、このオペラを盛り上げるために率先して拍手をすることにしました。
 第3幕の「ミミの別れ」や第4幕の「外套の歌」は上手くいったのですが、第4幕の「ロドルフォとマルチェッロの二重唱」は油断して拍手を忘れてしまいました。
 痛恨の極みです。
 慣れないことをすると、精神的に疲れます(^_^;。

 最近のオペラやコンサートでは「カーテンコールの写真を撮ってSNSに載せてください」というケースが多くなっているようです。
 前方の席の方が撮った写真をいただきましたので、載せておきます。​