《ばらの騎士》 びわ湖ホール 大ホール
指揮:阪 哲朗 演出:中村敬一 2024年3月3日(日)2:00PM

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 《ばらの騎士》 びわ湖ホール
 2024年3月3日(日)2:00PM

 指揮:阪 哲朗
 演出:中村敬一

 元帥夫人:田崎尚美
 オックス男爵:斉木健詞
 オクタヴィアン:山際きみ佳
 ゾフィー:𠮷川日奈子
 テノール歌手:清水徹太郎

 管弦楽:京都市交響楽団
 びわ湖ホール声楽アンサンブル
 大津児童合唱団

 僕も歳を取って、《ばらの騎士》のように長いオペラを見るのは大変です。
 聴きたいのは第1幕のテノール歌手とフィナーレの二重唱なんですから。

 しかし、びわ湖ホールから眺める琵琶湖の魅力は圧倒的。
 本日は絶好の天気に恵まれました。
 これより美しい劇場は2001年5月に訪れたフュッセンのノイシュヴァンシュタイン・ミュージカル劇場くらいでしょうか。

びわ湖ホールロビー 比叡山から比良山脈


 曲が始まってまず感じたのは音楽がストレートというか膨らみが無いこと。
 ウィーン風では無いという印象。
 ベルリン・コミッシュオパー専属指揮者という阪さんの経験がそうさせるのでしょうか。
 オペラが始まると気にならなくなりましたが……。

 中村敬一さんは信頼する演出家です。
 関西のオペラは正統的な演出が多く、素直に音楽を楽しむことが出来て安心です。
 しかし正統的な演出には適切な演技が必要です。
 特にコーラスの動きなど、こなれていないと感じられた部分があったのは残念でした。

 キャストでは元帥夫人が客を迎えるのに、オクタヴィアンとのベッドシーンの赤い下着のままだったのは変でした。
 羞恥心を持って、せめてガウンで隠していただきたかった。

 斉木健詞さんのオックス男爵がイメージと違いスタイル、格好が良かった。 
 ゾフィーが彼を選ばないのが不思議でした。
 鬘が取れた頭がハゲていたのは役作りでしょうか? 本物でしょうか?

 オクタヴィアンの山際きみ佳さん(愛知県立芸術大学大学院卒)はびわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバーで、抜擢人事でしょうか。
 善戦しておられました。

 僕の席は2階の最後列。
 最後列の2列はほぼ空席で自由自在、快適な観劇となりました。
 その分、音が小さかったのかもしれません。