ドイツ音楽紀行(32)1997年4月18日(金)
チューリッヒ歌劇場 《メリー・ウィドウ》

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 チューリッヒのオペラハウスは、チューリッヒ湖畔に建っている。
 このチューリッヒ湖はエメラルドグリーンの、実に美しい湖で、ヨットなんかも浮かんでいる。
 で、オペラハウスなんだが、少し小振りだが、屋根に翼のある彫刻を持つ、ギリシャ風の建物だ。
 チケット売場周辺を探検してみたが、本日のチケットは売り切れみたい。
 明日の《ルサルカ》はまだ残券があるようだ。

 ここは定員が1200人と少ないので、チケットが取りにくい歌劇場として有名だ。
 劇場内部も天井や壁面の絵や彫刻が美しい。
 今回の旅行で入ったドイツのオペラハウスは、どこもモダンな建物ばかりだったので、この様なクラシックな装飾が嬉しかった (^_^) 。

オペラハウス チケット

          《メリー・ウィドウ》1997年4月18日 19:30

       MUSIKALISCHE LEITUNG:FRANZ WELSER-MO:ST
       INSZENIERUNG:HELMUT LOHNER

           HANNA GLAWARI:NOE:MI NADELMANN
             GRAF DANILO:RODNEY GILFRY
             VALENCIENNE:UTE GFRERER
       CAMILLE DE ROSILLON:STEVE DAVISLIM
             NJEGUS:HERBERT PRIKOPA

 ポンテヴェドロ国の外交官、ダニロ伯爵と、ハンナはかつて恋人同士だった。
 しかし、身分の違いから結婚できず、ハンナは大金持ちと結婚する。
 ところが夫はすぐに死んでしまい、今は若き大金持ちの未亡人。
 彼女はパリに遊びに来ている。
 ポンテヴェドロ国のツェータ公使としては、大金持ちのハンナが他の国の男と結婚しては、国の財政に一大事。
 で、部下のダニロに、ハンナを護るよう命令するが‥‥。

 指揮の WELSER-MO:ST は売り出し中の若手。
 期待していたんだが、最初は颯爽、途中から普通という印象だった。
  LOHNER の演出は今回の旅行で唯一の (^_^; オーストドックスなもの。
 第1幕のポンテヴェドロ公使館は金色をふんだんに使った、ゴージャスな舞台装置。
 その金色が大理石の床に反射して、ますます輝きを増す。

 一方、第2・3幕のハンナ・グラヴァリ邸は銀色。
 上から銀色の柳がたくさん垂れ下がっていて、とてもロマンティック。
 第2幕と第3幕では、屋敷を45゜回転させていた。

 ハンナ役の NADELMANN は、マリア・カラス系統のエキゾティックな美人。
 スタイルにも自信があるようで、身体の線を強調した衣装を着ていた。
 その上、すごく積極的に色っぽく迫るので、カルメンを見ているような気もしてきた。
 ちょっと、好み (^_^) 。

 ダニロの GILFRY は、残念ながら、伯爵という気品がなかった。
 カウボーイっぽいのね (^_^;。
 声にも、もっとなめらかさが欲しい。

 ツェータ公使の召使い NJEGUS が冗談をぽんぽん飛ばして、周りは大笑いだったが、当然、全く分からない。
 これは覚悟の上。
 しかし今回の旅行、《フィデリオ》《メリー・ウィドウ》とセリフの多いオペラが多かった。
 一方ミュージカルは、《マルタン・ゲール》《サンセット大通り》《オペラ座の怪人》《ジーザス・クライスト・スーパースター》と、セリフのない作品ばかりで、オペラとミュージカルの逆転現象が見られた (^_^) 。

 ダニロとハンナ、ふたりの愛はよみがえり、お決まりのハッピーエンド。
 フレンチカンカンの繰り返しで舞台は盛り上がり、最後は大道具が左右・後ろに下がって、舞台裏まで丸見えの状態で(奥行きがある!)幕となった。
 盛大なカーテンコール。

 4番の電車でホテルに戻ったが、リマト川の向こうに見える旧市街は、市庁舎や時計台が照明にはえて、幻想的な美しさだった。

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