ウィーン・ミレニアム紀行(12)2000年1月1日(土)の1
ペーター・グートは最高 (^_^)

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 新しい年を迎え、朝のテレビでは『ワールド・スポーツ・オブ・ザ・センチュリー・イン・ウィーン(ニューイヤーズ・デイ)』という番組が放映されていた。
 コマネチ、カール・ルイス、ペレ、アリ、アラン・プロスト(小さい 隣が巨大なブリギッテ・ニールセン (^_^;)などが表彰されていたが、今日このウィーンに彼らは集まっているのだろうか?

 本日のスケジュールは、11時からの『ヨハン=シュトラウス・オーケストラ』(コンツェルトハウス)から。
 ウィーン元日のコンサートと言えば、誰でもまずウィーン・フィルの『ニューイヤーコンサート』が頭に浮かぶだろう。
 僕は偉そうな顔をしたムーティは好きではないし、『ニューイヤーコンサート』はカラヤンの時に見ているし、高いチケットを買う気はなかったが、会場(ムジークフェライン)が近いのでちょっと寄ってみた。
 開演30分前だったが、特に『SUCHE KARTE』のプラカードを持っている人もいないようだった。
 ロビーの服装はさすがにゴージャスであった。

◇ペーター・グートは最高 (^_^)

 さて、コンツェルト・ハウスに戻って‥‥。
 『ヨハン=シュトラウス・オーケストラ』の指揮者ペーター・グートは『ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団』の指揮者として来日したことがあり、僕はそれ以来の大ファン。
 彼のバイオリンを弾きながらの指揮を再び見ることが出来るのは、今回の旅行の楽しみの一つだった。
 彼はウィーン出身ながら、モスクワでダヴィッド・オイストラフに学び、オーストリア放送交響楽団のコンサートマスターも勤めたという音楽歴。
 曲によって指揮棒を持ったり、バイオリンを弾きながら、オーケストラをリードしていく。

 グートの音楽は極端なテンポの変化が実に音楽的。
 僕は世評に高いカルロス・クライバーの《こうもり序曲》も聴いたことがあるが、グートの《こうもり序曲》もそれに劣るものではないと断言しよう。
 昨日聴いた『ウィーン・リング・アンサンブル』のキュッヒル氏(ウィーンフィルのコンサートマスター)とは、音楽家としてのスケールが桁違いだと思う。

 グートの本領が発揮されるのは、バイオリンを弾きながらの早いポルカであろう。
 右手に持った弓を頭の上で(いしいひさいち氏描くところのナベツネ社長みたいに)びゅんびゅん振り回すと、僕の喜びも最高潮だ (^_^) 。

 グートはまたエンタテイナーでもあり、このコンサートのクライマックスはアンコールのポルカ(名前不明 (^_^;)。
 4拍目にバイオリンのアップボウ(上げ弓)で次のメロディーを引き出す部分があったんだが、この上げ弓に合わせて第一バイオリン全員(10人)が突然立ち上がった (@o@) 。
 そして、次の1拍目で座るという趣向 (^_^) 。
 その内に、メロディーとは関係ないチェロまで立ち上がるようになり、会場は大笑い。
 その内に管楽器まで、つまりオーケストラ全員が4拍目で立ち上がるようになってしまった (^_^) 。
 次の瞬間、グートは会場に振り向いた (@o@) 。
 そして、観客にも立ち上がれというんだね (@o@) (@o@) 。
 立った立った。
 二階の最後列まで、全員立ち上がりましたよ (^o^)/ 。
 あの大きな会場の全員を立ち上がらせるパワーは並のものではありません。
 グートがオーケストラの方を向いたので『これで終わりか』と安心したら、突然会場に振り向いて立ち上がらされたり (^_^;、『あと1回だけ!』と御願いされたり、涙が出るほど笑いました (^_^) 。

 演奏後は全員立ち上がってのスタンディング・オベイジョン。
 床を踏みならし、口笛が飛び交い、会場は熱狂状態です (^_^) 。
 このコンサートはきっと来年もあるでしょうから、来年ウィーンに行かれる方には是非是非お勧めしたいですね。
 


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