ウィーン・ミレニアム紀行(14)2000年1月1日(土)の3
ウィーン国立歌劇場《メリー・ウィドウ》

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 カールスプラッツ地下の寿司バー(けっこう美味しかった)で夕食を摂ってから、2000年最初のオペラはウィーン国立歌劇場の《メリー・ウィドウ》。
 このチケットが30日にボックスオフィスで購入できてしまったことは前に書いたとおり。
 まさか世界に名高いウィーン国立歌劇場1月1日のチケットが売れ残っているとは驚いたんだが、さらに驚いたことに当日券まで残っていて、立ち見席もガラガラの状態。
 この日、フォルクスオパーの《こうもり》は売り切れだそうで、この《メリー・ウィドウ》はよほど人気が無い演目なのだろうか?
 僕のチケットは2階バルコン(ボックス席)2列目で900シリング。
 一つのボックスに7人で、隣は日本人男性だった (@o@) 。


        《メリー・ウィドウ》 ウィーン国立歌劇場
         2000年1月1日(土)7:00PM

       指揮:ルドルフ・ビーブル 演出:アンドレイ・シェルバン

           ハンナ:イルディコ・ライモンディ
           ダニロ:ボー・スコウフス
     ヴァランシエンヌ:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
          カミーユ:マティアス・ザハリアッセン

 ハンナ役はバーバラ・ボニーのはずだったが、劇場前のポスターに貼り紙がしてあって、病気でキャンセル。

 この公演はあまり気に入らなかったんだが、何よりも不愉快だったのがアンドレイ・シェルバンの演出。
 第一幕の舞台はポンテベドロ国のパリ大使館(1920年代に時代設定してあるらしい)。
 途中でポンテベドロ国王の大きな肖像画が掲げられるが、これがヒトラー。
 こんなことで話題になろうとする、演出家のさもしい心根がたまらなく嫌だ。
 その肖像画に向かい出演者が『ファーターランド』と言うたびに、寒い気持ちになった。
 その他にも、これほど会場の笑いが少ない《メリー・ウィドウ》も珍しいのではないか?

 最近のヨーロッパのオペラは演出家上位なんだそうで、スキャンダラスな演出をすればそれが評判になって、仕事が増えるらしい。
 僕はそのような潮流は間違っていると思うんだが、これでシェルバンも人気演出家になっていくのだろうか?
 11月には来日公演があるそうなので、御確認下さい。

 終演後ケルントナー通りを散歩したが、雪が降ってきた。
 『ウィーン2000』のロゴの屋台で『Punsch』を注文。
 この屋台は『ウィーン2000』の下に『Silvester(大晦日)』と書かれていたので大晦日だけかと思っていたんだが、新年になってもそのまま営業していた (^_^;。
 


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