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エピダウロスを出たバスは、「ナフプリオン」という街に立ち寄りました。 「ナフプリオン」は岩山の上に要塞のある、美しい港町でした。
ミケーネと言えば、リヒャルト・シュトラウスのオペラ 《エレクトラ》 の舞台です。 アガメムノンはミケーネの王で、スパルタ王メネラオス(トロイア王子パリスに誘拐された美女ヘレネの夫)の兄。 ヘレネを奪還すべく編成されたトロイア遠征軍の総大将となり、艦隊はアウリスに集結しましたが、出港しようにも風が吹きません。 これはアガメムノンが女神アルテミスの怒りを買ったからです。 そこで、アガメムノンは占い師の言葉に従い、娘のイフィゲニアをアキレウスと結婚させると呼び寄せ、女神アルテミスへの生贄に供しました。 この裏切りは妃クリュタイムネストラ(ヘレネの異父姉)の恨みを買いました。 このあたりはグルックの《アウリスのイフィゲニア》ですね。 それから10年、知将オデッセウスの『トロイの木馬』の奇策によりトロイアを滅ぼしたアガメムノンは、トロイア王女カッサンドラを戦利品として凱旋しますが、妃クリュタイムネストラとその愛人アイギストゥスによって殺害されてしまいます。 クリュタイムネストラは息子オレステスを追放し、娘エレクトラを冷遇します。 このあたりからリヒャルト・シュトラウスのオペラ 《エレクトラ》 が始まるわけです。 さて、バスツアーに戻って、ミケーネの遺跡の手前でバスは停まりました。 訪れたのは「アトレウスの宝庫」という史跡ですが、実に立派な石組みで、これは明らかに陵墓でしょう。 ミケーネの受付のおばさんは「アガメムノンのお墓」だと言っていました。 僕も、アガメムノンのお墓に相応しい史跡かと思いましたが、殺害されたにしては立派すぎるでしょうか?
ミケーネではまず考古学博物館で説明を受けました。 内容はまったく分かりませんでしたが、実に充実した展示で、ホメロスが「黄金溢れるミケーネ」と書いたミケーネが如何に裕福な都市であったかが分かります。 黄金の仮面の複製もありました。 本物は昨日アテネの国立考古学博物館で見ていますが、あれだって本物かどうか分かりません。 土産物屋でたくさん売られていますからね (^_^ゞ。
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