太宰治の『津軽』を巡る(9)
金木 高流(たかながれ) 2006年8月14日(月)

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 小説『津軽』を読んだ人なら、高流に行ってみたくなるでしょう。
 太宰は姪の陽子、そのお婿さん、アヤと4人で、金木町から一里ほど東の高流と称する二百メートル足らずの小山に遊びに行ったのでした。

 そして、修練農場の入り口にある、朝香宮様、高松宮様、秩父宮様ならびに同妃宮様御成の石碑の前で岩木山を見て、「や! 富士。いいな」と叫んだのでした。

 太宰治の12歳年長の兄である津島文治は衆議院議員、参議院議員、青森県知事として活躍しました。
 そして、津島文治の娘 陽子のお婿さんは、『東北のケネディ』を名乗って、衆議院議員に12回連続当選し、農林水産大臣、防衛庁長官などを歴任した大物代議士田沢吉郎のようです。

 太宰治と田沢吉郎が一緒に山登りしたとは、というより田沢吉郎が『津軽』に出ていたとは、本当に驚きました (@o@)。

 ついでに、太宰治の長女園子のお婿さん津島雄二は自民党津島派の領袖で、テレビにもよく出てきます。

 さて本題に戻って、斜陽館のお姉さんに高流の場所を聞くと、「行ったことがないので分かりません」との返事。
 これには仰天しました。

 金木町に住み、太宰治で生計を立てながら、高流を知らない?
 太宰も『津軽』で「金木町の人たちは、この農場を、もっともっと誇ってよい。金木だけではない。これは、津軽平野の永遠の誇りであろう」と書いているではありませんか。

 金木町(五所川原市?)が、高流や修練農場の場所が分かる「太宰治関連マップ」を作っていないことが、僕には理解できませんでした。

 怒っていても仕方がないので (^_^ゞ、自力で高流を探すことにしました。
 途中で金木病院というこの町には立派すぎる病院を見ましたが、数ヶ月後に内科医の退職による地域医療崩壊の現場として全国の注目を集めることになるとは、考えもしませんでした。

金木病院 2009年 金木病院 2009年


 大東ケ丘、大東農園、などをキーワードに道を尋ねながら、高流を探します。

大東農園 大東ケ丘サントピアホーム
ここが高流の入り口 看板も立っている


 そして、僕はとうとう高流にたどり着くことが出来ました。
 そこは土砂工事で削られていましたが、晴れていれば岩木山から津軽半島までを見渡せる絶景の地です。
 下の写真を見て、「なんだか分からない」などと言わないでください。
 僕の努力の結晶なんですから (^_^ゞ。

 晴れた日の高流は09年に見ることが出来ました。
 
高流から岩木山方面 津軽半島方面


 修練農場は分かりませんでしたが、後日インターネットで調べると、石碑の写真が載っていました。
 機会があれば、晴れた日に、再チャレンジしたいものです。
 
◇羽柴秀吉と吉幾三

 金木町嘉瀬には2人の有名人がいます。
 まずは東京都知事選挙、大阪府知事選挙などに落選し続けている羽柴秀吉。
 彼が経営するホテルは小田川城と名付けられ、日帰り入浴も出来るそうです。

小田川城 城門 天守閣


 もう一人は演歌歌手の吉幾三で、「幾三ハウス」なるレジャー施設を経営し、彼の家はホワイトハウスと呼ばれているそうです。

幾三ハウス となりの池
 
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