「愛・地球博」開催記念 フェニーチェ歌劇場 《椿姫》
   2005年5月19日(木)18:30開演 愛知芸術劇場大ホール

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◇フェニーチェ歌劇場《椿姫》 5/19

 ウィークデイの夕方は仕事があり、オペラの開演時間に間に合いません。
 チケット代も高い。  でも行かなくては。
 ロバート・カーセンの演出するオペラは見逃さない!と心に決めたんですから (^_^;。

 劇場に到着したのは一幕の最後で、何とかヴィオレッタのアリアに間に合いました。
 もちろん会場には入れてもらえないんですが、ロビーのモニターへ直行。
 第一幕のヴィオレッタの下着姿が話題の公演ですからね (^_^ゞ。

      「愛・地球博」開催記念 フェニーチェ歌劇場名古屋公演
      ジュゼッペ・ヴェルディ《椿姫》 愛知芸術劇場大ホール
           2005年5月19日(木)18:30開演

      指揮:マウリツィオ・ベニーニ  演出:ロバート・カーセン

        ヴィオレッタ・ヴァレリー:パトリツィア・チョーフィ
        アルフレード・ジェルモン:ロベルト・サッカ
         ジョルジョ・ジェルモン:アンドリュー・シュレーダー

 大がかりな舞台に華麗な衣装、有名歌手が美声を競い合う、手の内が分かり切った想定内の舞台は面白くも何ともありません。

 今回の《椿姫》は、本来部屋の中である第二幕が屋外に移されており、床にはお札が敷き詰められ、天井からは枯れ葉のようにお札が降ってくる。
 第三幕では病気のヴィオレッタが寝ているはずの寝台がない。

 このようにカーセンの演出は意表をついた刺激的なものですが、本質的な部分では作品を大切にしているところが大変好ましい。
 「読み替え」と称し、作品をねじ曲げている一部の演出家とは違います。

 フローラの館のジプシーの合唱や闘牛士の合唱はラスベガス風のショーになっていて、闘牛士がカウボーイというアイディアにも感服しましたが、ジプシー女性のTバックのヌードダンスには感謝感謝 (^_^ゞ。

 ヴィオレッタ役のチョーフィは役に成り切った迫真の演技。
 しかし、彼女は38歳なのかな。
 この歳で下着姿で動き回り、沢山の男と口づけを交わさなくてはならないとは、オペラ歌手も大変です。

 アルフレードもジェルモンも良かったし、ダイナミックなベニーニの指揮も良かった。

 ロビーではフェニーチェ歌劇場でのDVDが山積みにされていて、5千円という値段には怯んだが、間に合わなかった第一幕を見るために購入。

 第一幕では「乾杯の歌」も最後のアリア「花から花へ」も、ヴィオレッタは男爵に抱かれながら歌っている(@o@)。
 これにも「なるほどなあ!」と、ひたすら感服感服。

 フェニーチェ歌劇場のプログラムによれば、カーセンのデビュー(?)は1992年のエクス・アン・プロヴァンス音楽祭のベンジャミン・ブリテン《真夏の夜の夢》。
 これはイングリッシュ・ナショナルオペラとの共同制作で、僕はロンドンでこの《真夏の夜の夢》を見てそれ以来のカーセンファンなんです。

 次がケルン歌劇場の《ファルスタッフ》

 それから松本の《イェヌーファ》、浜松の《ラ・ボエーム》、東京の《エレクトラ》が続くわけです。
 
 
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