プラハ国立歌劇場 《アイーダ》
2009年11月3日(火・祝)5:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 旧東欧圏のオペラハウスの来日公演は値段が安いので大好きです (^_^) 。
 その上、プラハに行かなくては見ることが出来ない舞台を、名古屋に居ながらにして見ることが出来るとは、何と幸せなことではありませんか。
 プラハ国立歌劇場では、2004年5月4日に《カルメン》を見たことがあります。

   プラハ国立歌劇場 《アイーダ》
 2009年11月3日(火・祝)5:00PM

   指揮:ジョルジュ・クローチ
   演出:マッシモ・ガスパロン

   アイーダ:ディミトラ・テオドッシュウ
   ラダメス:ジャンルカ・ザンピエーリ
   アムネリス:ガリア・イブラギモヴァ
   アモナスロ:ヤクプ・ケットゥネル

 クローチ指揮するオーケストラは、怪しい部分も感動的に盛り上がった部分もありました。

 ガスパロンの演出は舞台奥にピラッミドを置いたもので、全幕がこの同じ舞台装置で演じられました。
 小道具も出てこなかったと思います。
 合唱団は整列して歌い、合唱については演出を放棄している舞台かと思いました。

 呼びもののテオドッシュウのアイーダは感心しませんでした。
 黒い服に肥満体で演技が良く分からない。

 ラダメスを愛し、エチオピア王女としての誇りを持ち、アムネリスの奴隷であるという役柄が上手く表現できていないようで、まあ「山が動いた」という感じでしょうか。
 《アンナ・ボレーナ》で感心した歌唱も、今回は残念ながら満足できませんでした。

 アムネリスのイブラギモヴァが、歌も演技も舞台姿も素晴らしかった。
 テオドッシュウの演技がもっとしっかりしていれば、二人の二重唱はもっと盛り上がったでしょうに。
 第4幕第1場のアムネリスは圧巻でした。
 豪華な舞台装置が無い方が、本質的なものが見えてくることもあるようです。

 ザンピエーリはラダメスを歌うテノールではないでしょう。
 関西歌劇団《三部作》を見てから《外套》が僕のBGM。
 ルイージ役がデル・モナコなんですが、「黄金のトランペット」とはよく言ったものです。

 下半身露出のような衣装を着せられた、ヤクプ・ケットゥネルのアモナスロは良かった。
 第三幕のアイーダとの二重唱も迫力のあるものでした。
 テオドッシュウは後半の方が良かったと思います。

 第2幕の見せ場『大行進曲』は、ほとんどがバレエでした。
 プラハのオペラハウスにゼッフィレッリのような豪華な舞台を求めても仕方のないことでしょう。
 バレエ団の衣装は旧東欧圏とは思えないような露出が多いもので、楽しませていただきました (^_^ゞ。
 女性を含め、筋肉質のマッチョな人が多かった。
 アモナスロと一緒に現れるエチオピアの捕虜たちをよくよく見ると、これがバレエ団員で、「有効利用だなあ」と感心したりビックリしたり (^_^; 。

 僕が感じた良いところも悪いところも含め、名古屋に居ながらプラハの舞台を見せていただいたことに、改めて感謝したいと思います。
 
 
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