レニングラード国立歌劇場オペラ 《エフゲニー・オネーギン》
2009年12月2日(水)6:30PM 愛知県芸術劇場大ホール

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  《エフゲニー・オネーギン》といえば、07年8月14日のザルツブルク音楽祭とか08年9月15日の東京二期会とか、「読み替え」と称するおかしな演出ばかり見せられていたので、たまにはまともな舞台が見たいと期待して行って参りました。

 本日が今回の来日公演、《エフゲニー・オネーギン》の初日になるようです。

   レニングラード国立歌劇場オペラ
     《エフゲニー・オネーギン》
  2009年12月2日(水)6:30PM
    愛知県芸術劇場大ホール

   指揮:ペテル・フェラネツ
   演出:スタニスラフ・ガウダシンスキー

   タチアーナ:タチアナ・リャグゾワ
   オネーギン:ユーリー・イヴシン
   オリガ:マリーナ・ピンチューク
   レンスキー:ドミトリー・ゴロヴニン
   ラーリナ:エカテリーナ・セヴリュコーワ
   フィリーピエヴナ:ナタリア・ビリュコーワ
   グレーミン公爵:ユーリー・マンチャーク
   トリケ:ドミトリー・カルポフ

 簡素な舞台装置ながら、カーテンや照明を上手に使った、まったく正統的な演出で、このオペラを楽しんできました。
 ロシア語の響きの美しさが、耳に残るオペラでした。

 中でも気に入ったのが最高の聴かせどころである「手紙の場」。
 今まで見た演出では部屋の中に机があって、タチアーナは机に向かって手紙を書きながら歌う演出が多かった。
 これでは彼女の思いはその場所で止まってしまっているでしょう。

 今回の舞台は、我々は客席から窓を通してタチアーナの部屋を見る設定。
 机は窓に向かって置かれており、曲が盛り上がるとタチアーナは窓から身を乗り出し、つまり客席に向かってその愛を歌い上げます。
 これでこそ、彼女の思いが我々に直接届くというものです。
 僕としては窓から外へ飛び出し、もっと自由に動きながらその溢れる思いを歌い上げて欲しいと思いましたよ。

 タチアナ・リャグゾワのタチアーナは、まったく素晴らしいものでした。
 しかし、僕はダブルキャストのアンナ・ネチャーエワも見てみたかった。
 この人は2008年1月23日(水)に開かれた「マダムバタフライ世界コンクール・モルドヴァ大会入賞者祝賀演奏会」で、笛田博昭さんと《蝶々夫人》の愛の二重唱を歌った美人ソプラノでしょう?

 カーテンコールで、タチアーナが夫であるグレーミン公爵と現れ、最後にオネーギンが一人で現れたのには違和感がありました。
 このオペラはタチアーナの物語であり、カーテンコールの最後に登場するのはタチアーナであるべきでしょう。
 オネーギンはタイトルロールだから、致し方がないのでしょうが‥‥。

 2回の休憩があり、終演は9時45分という長丁場でした。
 
 
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