METライブビューイング《シモン・ボッカネグラ》
2010年2月28日(日)10:30AM ミッドランドスクエアシネマ

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   METライブビューイング《シモン・ボッカネグラ》
     2010年2月28日(日)10:30AM
        ミッドランドスクエアシネマ

    指揮:ジェイムズ・レヴァイン
    演出:ジャンカルロ・デル・モナコ

  シモン・ボッカネグラ:プラシド・ドミンゴ(マドリード)
  アメーリア:エイドリアン・ピエチョンカ(カナダ)
  ガブリエーレ:マルチェッロ・ジョルダーニ(シチリア)
  フィエスコ:ジェイムズ・モリス(ボルチモア)

 海賊の首領シモン・ボッカネグラ(後のジェノヴァ総督)と恋人マリア(政敵フィエスコの娘)との間に生まれた幼い娘は行方不明となったが、25年後にはアンドレア(実はフィエスコ)によってグリマルディ家の娘アメーリアとして育てられており、シモンの政敵ガブリエーレと愛し合っている。

 などというヴェルディお得意の荒唐無稽なストーリーに、結構慣らされてしまった自分に驚いてしまいます (^_^ゞ。

 テノールのドミンゴがバリトン役のシモンを歌う、ということが話題のこの公演でしたが、ドミンゴの声には何の違和感も感じませんでした。
 ただただ偉大な大歌手の絶唱、名演を堪能させていただきました。
 世界文化遺産ですね (^_^) 。

 進行役はルネ・フレミングで、アメーリア役のピエチョンカ、ゲストのキリ・テ・カナワとの話を聞いていると、アメーリア登場のロマンツァ「暁に星と海は微笑み」はとても難しい曲らしい。

 ルネ・フレミングがさわりを歌うと、「やめて!」とキリ・テ・カナワが逃げ出したりして (@o@)、「なにも最初に持ってこなくても」ということで、3人の意見が一致していました (^_^) 。

 演出のジャンカルロ・デル・モナコはロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル《オテッロ》の「もじもじくん」の印象があまりにも強烈で、まったく期待しておりませんでした。

 ところが、この舞台は正統的で豪華な舞台で、第一幕第二場の『総統の宮殿にある大会議場』(上のチラシ)の場面などは、まったく華麗な中世絵巻で、幕が上がると拍手がわき起こりました。

 僕はジェノヴァのドゥカーレ宮殿に行ったことがあるので、「あの宮殿の中にこの豪華な大会議室があり、そこでこのドラマが繰り広げられたのか」と、思い入れもひとしおです。
 やはり人間、色々なものを見ておくものです (^_^) 。

 そういえば、コート・ダジュールではカーニュ・シュル・メールのグリマルディ城にも行ったのでした。
 あのお城が、このオペラ第一幕第一場の舞台なのでしょうか?

 ジェノヴァ(イタリア)とカーニュ・シュル・メール(フランス)はそれほど遠くはありません。
 しかし、グリマルディ家には他にもたくさんお城や館があったような気もします。

 指揮のレヴァインは歩くのが辛そうで、カーテンコールでもカーテンにつかまっていました。
 
 
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