関西二期会 プッチーニ 《La RONDINE(つばめ)》
2011年5月28日(土)4:00PM 尼崎アルカイックホール

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 プログラムによれば、《つばめ》は《妖精ヴィッリ》《エドガー》と並んで、プッチーニの10作(12作)のオペラの中で最も上演回数の少ない作品。

 2009年2月のMETライブビューイングで放映され、その上演にはアラーニャ&ゲオルギュー夫妻の働きかけが大きかったとのこと。

 今回の関西二期会公演もその流れでしょうが、珍しい機会なので台風2号を心配しながら、尼崎に行ってきました。

 4時開演という開演時間が有り難かった。
 最近は土曜日でも2時開演の公演が多いけれど、僕は間に合いませんからね。

   関西二期会 第74回オペラ公演
  プッチーニ 《La RONDINE(つばめ)》
   2011年5月28日(土)4:00PM
      尼崎アルカイックホール

  指揮:寺岡清高  演出:中村敬一

  マグダ:平野雅世
  ルッジェーロ:根木 滋
  リゼット:四方典子
  プルニエ:馬場清孝
  ランバルド:細川 勝
  イヴェット:山守美由紀
  ビアンカ:湯川夏子
  スージー:谷田奈央

  管弦楽:大阪交響楽団
  合 唱:関西二期会合唱団
  合唱指揮:中村貴志

 ストーリーは《ラ・トラヴィアータ》ですが、ヒロインのマグダは病気ではなく、囲われものだった過去を恥じ、若い恋人の将来のために自ら身を引く、というところが劇的要素に欠けると言われる所以でしょうか。
 でも、なかなか魅力的な作品かと思いました。

 プッチーニの音楽はドラマチックではないものの、美しいメロディーが流れていき、BGMにしてみようかな。

 中村敬一さんの演出は、装置はカーテンや書き割りでエコノミックですが、場の雰囲気は良く出ていました。
 第一幕冒頭のマグダの有名なアリア『ドレッタの夢』のあたりは、焦点が定まらないように感じましたが、2幕以後、特に3幕は集中して見ることが出来ました。

 歌手の皆さまについても、同じような感想です。
 最後のマグダの告白には、けっこうホロリとしました。

 寺岡清高さん指揮する大阪交響楽団を聴くのは初めてでしょうか。
 演奏技術も高く、精緻なアンサンブルで感心しました。
 寺岡さんは、これが日本で初めてのオペラ指揮となるそうです。

 各幕の最後はカーテンが降りて参りまして、第1、第2幕はカーテンが降り切って音楽が終わったところで拍手があり、オペラらしい雰囲気でした。
 しかし、第3幕ではカーテンが降りる途中でかけ声が掛かりまして、KBS(関西ブラヴォー・ソサエティ)でしょうか、こういう人がいるところでは一度に照明を落とすエンディングの方が無難かと、残念に思いました。
 
 これからの関西オペラ公演の演出家を見ると、中村敬一、直井研二、岩田達宗といったオーストドックスな実力派が並んでおり、安心してチケットを買うことが出来ます (^_^) 。

 プログラムの最初に美人の写真が載っておりまして、この人が尼崎市長の稲村和美さんで、羨ましかった。
 名古屋市長は河村かしさんですからね (^_^; 。
 

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