イヴリー・ギトリス&フレンズ 東日本大地震 チャリティーコンサート
2011年6月6日(月)6:45PM 宗次ホール

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 パリ在住のイヴリー・ギトリスは震災直後に「すぐにでも日本の被災地に音楽を届けたい」と来日し、6月1日に石巻の被災地でコンサートを行ってきたそうです。

 イヴリー・ギトリスはテレビで見て、音は綺麗ではないし、勝手気ままな弾きぶりで、好みではありませんが、1922年生まれとは今年89歳になるのでしょうか。
 たぶん最後の来日でしょうから、実物を見ておかなくてはと考え直し、宗次ホールに行って参りました。

 イェルク・デムスメナヘム・プレスラーなど、80歳代のピアニストのコンサートは素晴らしかったですからね。
 しかし、デムスは体調不良で、関西フィルの演奏会をキャンセルしたそうです。
 メナヒム・プレスラーはまた来日するようですね。
 テレビ放映を望みたいものです。


   イヴリー・ギトリス&フレンズ
  東日本大地震 チャリティーコンサート

 2011年6月6日(月)6:45PM 宗次ホール

  イヴリー・ギトリス(ヴァイオリン)
  木野雅之(ヴァイオリン)
  平沢匡朗(ピアノ)
  大倉正之助(大鼓)

 パンフレットによれば、イヴリー・ギトリスは1922年イスラエルのハイファ生まれ。
 5歳でヴァイオリンを始め、7歳で最初の演奏会を開く。
 演奏を聴いたフーベルマンに見出されてフランスに渡り、、ジョルジュ・エネスコ、ジャック・ティボー、カール・フレッシュ等、名ヴァイオリニストの下で研鑽を積む。
 ということで、もはや音楽史上の人物と言って良いでしょう。

 例によって遅刻して、僕が会場に入ったときは、バルトークの「2つの無伴奏ヴァイオリンの為の44の二重奏曲」が演奏されていました。
 丁々発止の掛け合いというよりは、仲間内のお遊びムードでしょうか。
 トークも入って和やかな雰囲気でした。

 前半には木野さんとのインプロヴィぜーション、後半には大倉さんの大鼓とのインプロヴィぜーションがありましたが、訳の分からぬメロディーを好き勝手に弾かれても、あまり面白くはありませんでした。

 あとは主にクライスラーの曲が演奏されました。
 ギトリスが有名な曲を、木野さんがあまり知られていない曲を演奏しました。

 僕が仰天したのは木野雅之さんが無伴奏で弾いた『アルハンブラの思い出』 。
 『アルハンブラの思い出』はもちろん、フランシスコ・タレルガ(1852~1909)が作曲したギター独奏曲。
 長く音を延ばせないギターのためにトレモロ奏法で美しく息の長いメロディーを演奏し、親指で分散和音を演奏する。

 ヴァイオリンにとって、長いフレーズを演奏するのは簡単なことです。
 ところが木野さんはこの曲をギターと同じようにトレモロ奏法で演奏しまして、分散和音まで付いている (@o@)。
 オペラグラスで一生懸命観察しましたが、どうやって演奏しているかが分からない。
 信じられないものを拝見した、神業かと思いました。

 木野さんは名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスター、日本フィルハ-モニー交響楽団のコンサートマスターを経て、02年7月より同オーケストラのソロ・コンサートマスターを勤めておられるそうです。

 最後は大鼓まで加わっての『美しきロスマリン』でお開きになりました(と思います)。
 

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